玲於end�� ページ13
【Aside】
メイ「そういうことか。
なんかわかっちゃったかも。」
メイが納得した顔で
注文したワインをゆっくりと揺らす。
『そういうこと、って。なにが？』
メイ「おかしいと思ったんだよねー
あの玲於が花なんて。」
はてなが飛んでるあたしのことなんか無視して
うんうんってしながらワインを美味しそうにころがしてる。
メイ「なんか意味があるんじゃないかなと思ったけど。
意外とロマンチストなんだから。」
『…佐野くんの話？』
メイ「元カノとしては、ちょっと妬けちゃうな。」
展開についていけずに、
えーっとって首を傾げる。
そしたら、やれやれって感じで困ったように笑うメイがあたしに顔を近づけた。
メイ「Aの知ってる玲於を
よーく、思い出してみて。」
あたしの知ってる、佐野くん…？
なんだろう。
えっと、
無愛想で 口悪くて
でも誰よりも優しくて繊細で。
ーー…かも、じゃ
困るんだけど。ーー
ふいに頭をかすめる、
昨日の記憶の中の切なげな佐野くん。
ーーそんなAちゃんもひっくるめて
すきだって言ったら？ーー
ーー亜嵐くんに言えないこととか
また1人になりたくないってときは
俺のこと呼んでくれていーから。ーー
…あれ？
ーーもし…
もう一度会えたとき
Aちゃんの気持ちが少しでも俺にあったらーー
…待って
ーーそんときは、俺んとこ来て。ーー
…え？
ーー“この恋に、気づいて”。ーー
…うそ。
もしかして
メイ「気づいてあげられた？」
優しく笑って、メイがあたしの顔を覗き込む。
思わず両手で口元を押さえてた。
うそ。
うそうそ、だって佐野くんは
メイ「ったく、1人で抱えて。
素直じゃないっていうか、
言わないところが大人になったっていうか。」
もう、頭の中がパニック。
自意識過剰なのかも。
勘違いなのかも。
でも、頭の中を駆け巡るのは
あたしを見る佐野くんの優しい笑顔と
時折見せた悲しそうな笑顔。
「玲於に、会いに行ってやってください。」
『…え？』
諭すようなマスターの声に顔を上げる。
あたたかく見守るような、優しい笑顔。
「あなたがもし、まだ迷ってるなら。」
そう言って一枚の紙切れを
あたしの前に置いた。
綺麗な字で書かれた
どこかの住所。
「もうあまり、時間がないかもしれません。」
.
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まぁ(プロフ) - ぴなたまごさん、完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした。私はぴなたまごさんの玲於君が本当に大好きなので、また気持ちと時間に余裕が出来たら新しいお話で玲於君を書いていただけたら嬉しいです！今回もグッとくるお話、ありがとうございました！ (2018年6月15日 16時) (
レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - とてもいい作品でした(T^T*) (2018年6月12日 20時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2018年6月5日 20時
