玲於end�� ページ14
【Aside】
見覚えのあるマンションの前で足を止めた。
あたしの手には、
昨日マスターに渡された住所の書かれた紙。
はぁって深呼吸すると、
白くなった息が夜の暗闇ですぅっと溶けた。
この紙があってよかった。
1回来たことはあるけど、道うろ覚えだったから。
紙を胸の前でぎゅってしながら見上げる
あの日以来の、佐野くんのマンション。
会ってどうするのかわからない。
でも、
『…会わなきゃ。』
意を決して、インターホンを押す。
ピンポーン
…
…あれ。
部屋番号確認してもう一度押してみるけど、
やっぱり応答がない。
留守かな。
緊張が解けて拍子抜けする自分がいて
それと同時に
少しずつ焦燥感にかられていく。
なぜだかわからないけど、
もう二度と会えないような気がして。
『…明日、もう一回来よう。』
会わなきゃいけない気がする。
このままじゃだめな気がするの。
“もう時間がないかもしれない”
頭をよぎるマスターの言葉が
余計に不安を掻き立てる。
どういう意味かは、わからないけど。
そうして迎えた次の日の朝。
出勤前に立ち寄って
もう一度インターホンを押した。
ピンポーン
『…やっぱり、でない。』
朝早すぎたのかな。
学生だしまだ寝てるのかも。
今日の夜もう一回…
悶々しながらインターホンの前に突っ立っていると
「…Aちゃん？」
背後から呼ばれる、自分の名前。
もしかして佐野くん、なんて
そんな考えが一瞬過ったけど
そんな都合のいいことは起こるはずもなく。
振り返ると、その人は「やっぱり！」って人懐っこい笑顔で駆け寄ってくる。
『…え。岩田さん？』
剛典「びっくりしたー。
一瞬、人違いかと思った。」
『あたしもびっくりしました。
え、何してるんですか？』
剛典「今からスクールに出勤するとこ。
Aちゃんこそどうしたの？」
岩田さんが不思議そうに
あたしとマンションを交互に見比べてる。
マンションを見上げるようにして見てる
その視線の先は
きっと佐野くんの部屋。
剛典「…もしかして、玲於？」
.
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まぁ(プロフ) - ぴなたまごさん、完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした。私はぴなたまごさんの玲於君が本当に大好きなので、また気持ちと時間に余裕が出来たら新しいお話で玲於君を書いていただけたら嬉しいです！今回もグッとくるお話、ありがとうございました！ (2018年6月15日 16時) (
レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - とてもいい作品でした(T^T*) (2018年6月12日 20時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2018年6月5日 20時
