Kiss Store

28 morning ページ28

F.side



「こんにちはー。」


次の日俺は仕事の前に本屋を訪れた




「あ、ガヤさん。おはよう」


「ニカ、おはよう。」


「えっと。後ろいるのは」


「千賀。よろしくね」




周りを見渡すが誰もいない



「あのー、ミツは？」



こいつ、いつの間に仲良くなったんだ




「ちょっと待ってて、今支度中だから」



本をうろうろ見てると
いままで気づかなかったが
生活しやすい工夫がされている




「ニカー、伝票どこやったー？」




昨日の今日で玉森さんに会うのは緊張する



「お邪魔してます」



ちらっとこっちを向いただけ



店を通り過ぎて奥まで案内される



「ミツ君、おはよう」


「おはよう。藤ケ谷さん」


ベットで横になっているミツ君がいた



「体調悪い？」



「朝、ちょっと弱いだけ」



「ミツなんかあったら呼んで」




玉森さんはミツ君の顔を両手で挟んで
ニコッとした


笑えるんだ。この人。



「ご。ごめん。早すぎた？」



「気にしないで、来てくれてありがとう
びっくりしたでしょ？」



「びっくりしたけど
朝起きたら普通に逢いたくなって
仕事前に来ちゃった」



「えっ//??」



あ、素の言い方をしてしまった
渉相手じゃないのに…




「あ、違う、その…」



「藤ケ谷さんってクールなイメージあったけど
ほんとはそうじゃないのかも？」



いたずらっ子みたいな顔をして
ミツ君は笑った





「よかったらさ、また渉の店来てよ。
まだハヤシライス食べてないでしょ？」



「うん！行く！行きたい」



ミツ君は起き上がりたいみたいで
背中を浮かすからちょっと手を貸すと



びくんって震えた



「あ、ごめん。」



「大丈夫、大丈夫だよ。ありがとう」

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