三十四話 ページ34
side 大晴
「やばい！飛行機行ってまう！」
「マジでこんな大事な日に寝坊するとかありえへんわ柊和！」
「ゴメンって！昨日夜ふかししすぎてん！」
駅までの道を自転車で猛スピードでかける私ら三人。
朝、柊和が寝坊して集合の時間に遅刻して待ってたらギリギリの時間になっていた。
そう、今日はなんと言おうとAの旅立ちの日。
「Aー！」
家族と談笑していたAがこっちに向かって手を振る。
手にはオレンジ色のキャリーバックといつも持ち歩いてるリュック。
「おっそいわ三人とも！寝坊したやろ、まだ時間あるからええけど。」
「ゴメン、柊和が寝坊してもうてさ！」
「ホンマに、最後まで笑わせんといてや。」
お腹抱えて笑うAに、なんだか不安も無さそうで安心した。
「これ、クラスの皆と、部活の同期と後輩から。」
「わぁ、ありがとう。飛行機の中でじっくり読んどくわ。」
あ、そうや。と思い出したように何かを取り出すA。
「これ、お世話になった三人に。ここじゃ恥ずかしいから後で呼んでな。」
「え、マジで？！」
渡されたのは、オレンジ色の封筒と、FIGHT！という文字が描かれたお守り。
「これ、私らだけのお揃いな。バックにでもつけといて。」
「うん。大事にするわ。ありがとう。」
すると、フランス行きの便をお知らせするアナウンス。
そろそろ行くわ、とキャリーバックを持ち直した。
「いつでも帰って来て良いからね。」
「また元気な顔見せに来い。」
「ありがとう。また長期休みになったら帰ってくるから。」
「姉ちゃん、なんかあったら連絡して来てや？…………いってらっしゃい。」
「泣きながら言いなや晴太郎。ちゃんとお母さんとお父さんの言うこと聞きや？」
「わ、分かっとるって！」
大泣きしながらAに抱きつき、一向に離そうとしない晴太郎。
Aも困った弟やなぁ、と眉を八の字に下げる。
「こら晴太郎、お姉ちゃん行かれへんやろ。離し？」
「………分かった。」
おばさんに怒られて、渋々離れる晴太郎に頭を撫でて頑張りや、と言うA。
ホンマにこの姉弟は年が近いのにここまで仲良う出来るって羨ましいな。
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ぽてとさらだ。(プロフ) - しょあさん» ありがとうございます！遅い更新ではありますが、これからも応援していただければ幸いです(*´∇｀*) (2017年9月25日 23時) (
レス) id: 76c183b493 (このIDを非表示/違反報告)
しょあ(プロフ) - すごくおもしろくて続き気になります！ (2017年9月25日 20時) (レス) id: a32bcb43cc (このIDを非表示/違反報告)
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