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あれから、どのくらい時が
経ったのだろう?


真っ暗な室内――


そこに、僅かに小さな光を
ぼんやりと灯す間接照明。
床に設置され丸く形取られたそれは、あたたかみのあるオレンジ色でまわりを淡く染めている。

そんな優しい色合いに、目がとろんと
蕩けそうになってしまう。

再び携帯に手を伸ばして
ぼんやりとしていると、




ガチャ――




..




パサリ――

すぐ側で何かが擦れる音。


零君っ!


彼が、着ていたシャツなどを脱ぎ捨てた音の筈。
就寝時は、極力衣類は身につけずに床に入る零君。



「こら。」


手中にあった携帯は、彼にすっと抜かれて
やんわりともう寝る事を強いられる。



「A、もう寝よう?」

「うん..」


いつもの様に、彼から差し出される腕に
再びゴロンと横になる。彼に寄り添うかの様に、
体を彼にピタリとくっつけた。彼の素肌に
直接触れ、ほんのり温かい。
そして小さな期待を同時に抱く。


彼の腕枕は、最高に落ち着くの。


「お休み..」


彼の優しい声が耳元で響く。
それから、静寂に支配され行くこの空間。
どうやら彼は本当に寝ようとしているみたいで...





零君、お願い。
まだ寝ないで?


零君、
今日は “ 仲良し日 ” なんだよ?
そう、今日は俗に言う “ 危険日 ”



ここ最近の悩ましい事。
降谷になり特に..顕著にそう思う。




赤ちゃん――


欲しいの
零君との赤ちゃん..

貴方との愛
もう一つの形。

一度は失ってしまったけれど...
こんな私でも許されるのなら、

また望んでもいいだろうか ――


零君も望んでいてくれるのかな?



「れ..くん..」



なのに夜、もうずっと..
私を求めてくれない零君。


私だって女なんだよ?

1人の女性として、貴方に必要とされたいの。
彼から求められる、という優越感に浸りたいの。

それは、2人の男女が愛を確かめ合う方法の一つ。
その延長線上にある、尊き存在。


赤ちゃん――




..




痺れを切らした私。
そろそろ自分自身で抱えきれなくなりつつある
この胸のモヤモヤ。


彼に寄せる体をほんの少しだけ、身をよじりながら
体勢を変えてみる。自身のこの豊かな2つの
柔らかな膨らみが、彼の体に触れるようにわざと。
さらにそれらをムギュッと押し当ててみる。

この薄暗さが、私の恥ずかしさを一緒に隠してくれている様だった。



「んっ..A。」


身動きが取れない様に、ギュッと抱きしめられる。
ほんの少しだけ、遠慮がちに触れてくる唇。

*→←*



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天然石 - 続きみたいです更新してほしいです (2023年1月10日 23時) (レス) @page26 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 続きが読みたいです (2022年8月4日 7時) (レス) @page26 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
forevermemory1(プロフ) - お久しぶりです。体調に気を付けて更新してくださいね! (2019年12月14日 12時) (レス) id: 66905377fd (このIDを非表示/違反報告)
漬物小屋の住人 - 大好きです!!!!!いつまでも待ちます(^○^) (2019年12月14日 9時) (レス) id: 9b45cc3ea2 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 曇天に笑うさん、レイさん。貴重なご意見を頂き有り難う御座います。作品の事に関しては、ユーザー様が読む自由がある様に、書き手側も然り。書く内容も更新頻度も誠に勝手ながら私の自由な裁量により判断させて頂きたいと思います。 (2019年12月10日 6時) (レス) id: 1b0c412716 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ポポロン | 作成日時:2019年6月15日 12時

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