秘密のお買い物 ページ12
「えっ、コ、コナン君？」
小さな紳士が私を励ましてくれた、あの時の事が蘇る。出口の見えない、さながら迷路の様な深い闇に身を沈めていたあの頃...
思いを巡らせる間もなく急に立ち上がった彼は、
くるりと小さく丸まった2人分の伝票を手に取ると、
「 “ Aお姉さん ” それではまた。」
にこりと向けられた新一君の年相応な微笑みは、
何処か意味深長だった。それが何かだなんて、
きっと私には着想もし得ない事だろう。
チリリン―――
軽快な鈴の音が、次の来客を知らせる。
「Aっ、遅くなってごめん！」
新一君と入れ替わりで登場したのは、私と同様ポアロの常連客である由美と美和子。警視庁で立派にお勤めを果たす2人は、相変わらずかっこいい。
「あー疲れた。アンタの一大事だから車ぶっ飛ばして来たのよ。」
ウィンクしながらメニュー表を手に取る友人を前にし、こりゃ上手い事言わないと大変な事になりそうだと少し緊張してくる。そして結露し始めたグラスをぎゅっと握り、一気にアイスコーヒーを喉に流し込んだ。
「A、安室さ..じゃなかった、ごめんごめん。
降谷さんと上手くいってないの？」
「ごほっごほっ、」
「はぁ、何？れーくん、早速浮気したわけ！？」
「あっ、いや、そうじゃないけど..実は―― 」
2人の性格上、いつも質問はど直球。
天気の良い午後の昼下がり、ここポアロはほぼ満席に近い状態だった。今日は無風で非常に日差しが強い。まだ春にしては早すぎるこの蒸し暑さから逃れる様に入店した来店客達。皆思い思いにポアロで過ごしている。そんな中で、私は零君との事を赤裸々にそれこそ恥をしのいで打ち明けた。
「あーもうっ！アンタ達って、本当にめんどくさいわね！！！」
..
由美のめんどくさい発言の後に、美和子の車に強引に押し込まれ、とあるショッピングモールまで連行された。平日だと言うのにこの賑わい。流行りのセレクトショップなどが数多くテナントとして入っている為、とにかく女性客が多い。長時間居るだけでとても疲れそうだ。
「A！ほら、これはどうかしら？普段絶対に選ばないでしょ？」
そう言って、美和子が私の前に広げて見せたのは
真っ黒な下着のセットでかなり凝った刺繍が施されている。
「いやいや、アンタの大好きなれーくんはね
絶対むっつりスケベタイプだから断然これよ。」
「ひっ、」
由美が差し出したのは、形容するのも恥じらう程の
セクシーランジェリーだった。
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天然石 - 続きみたいです更新してほしいです (2023年1月10日 23時) (
レス) @page26 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 続きが読みたいです (2022年8月4日 7時) (レス) @page26 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
forevermemory1(プロフ) - お久しぶりです。体調に気を付けて更新してくださいね！ (2019年12月14日 12時) (レス) id: 66905377fd (このIDを非表示/違反報告)
漬物小屋の住人 - 大好きです!!!!!いつまでも待ちます(^○^) (2019年12月14日 9時) (レス) id: 9b45cc3ea2 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 曇天に笑うさん、レイさん。貴重なご意見を頂き有り難う御座います。作品の事に関しては、ユーザー様が読む自由がある様に、書き手側も然り。書く内容も更新頻度も誠に勝手ながら私の自由な裁量により判断させて頂きたいと思います。 (2019年12月10日 6時) (レス) id: 1b0c412716 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
