＊ ページ12
話によると..
入院中、何も食べようとしないA。
元気なフリをするAは、弱々しい。
そのせいで、退院が延期になっている事..
このままだと、退院出来てもすぐに支障が出ると
皆懸念を抱いているのだ。
それは、風見の報告で既に把握していた。
いても立ってもいられない..
肝心な時に側についてやれない、今の自分の状況を呪いたかった。
大切なモノとは――
俺が守りたいモノ..とは何だったのか？
..
― 好きに決まってるだろ！ ―
自分で吐き出した台詞を反芻する。
あぁ、そうさ。
俺はAの事を..
コンコンッ...
..
「A？」
そっと病室の戸を閉めて、ずっと会いたくて堪らなかった彼女に歩み寄る。不安げに呼びかけた声は届いたのだろうか？
「A。」
今度は、はっきりと呼んだが反応は無い。
瞼は閉ざされ、長い睫毛はくるりと上を向いたまま。
本当に..眠っているのだろうか？
それにしても、拒まれている様で気持ちが沈んでしまう。アイツもこんな風な...気持ちだったのか？
ふと、蘇ったのだ。
在りし日の自分が、Aにした行動を――
零くん..
零君？
勇気を出して “ 零君 ” と呼ぶAの気持ちを
無下にし、安室透として接した。こんな形でまたAの気持ちが垣間見れた。
ごめん...A。
「君はいつも俺に尽くしてばかりだった。
俺は君に..一体何を与えれていたのだろうか？」
ベッド側のテーブルには、見舞いの品だろうか。
未開封の焼き菓子などが置かれたままだった。旬の飾りつけをされた実にAが好きそうな品々ばかり。手をつけられてない菓子達が悲しく物語っていた。
甘い物には目がなく、食いしん坊なのに...
布団からすっと伸びていた彼女の手を、自分の方へ手繰り寄せる。
可愛いらしい薄桃色の寝巻きから覗かせる、彼女の手首の細さ。いつも、つやつやでほんのり赤い豊かな頬は...その豊かさを失っていた。
「A..待たせて..ごめん。」
彼女の目元のクマを気にし、なるべく無理に起こしたくない。けれど、目覚めて欲しい。
矛盾する気持ちと葛藤しながら、彼女の手をギュッと握りしめていた。それから、握りしめていたAの手を自身の頬へと運ぶ。
愛しい彼女のぬくもりを感じたくて――
「A..君に..辛い思いばかりさせて..ごめん。」
やはり君は眠ったままで..
このやけに静かな空間は、俺の声ばかりが響く。
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やっち(プロフ) - 良かったです。すれ違いが凄かったけど最後は結婚出来て良かった! (2022年8月4日 6時) (
レス) @page49 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - salomeさん» こんにちは！続編のご希望頂きまして有難う御座います(^^)ゆっくりではありますが、只今準備させて頂いてます♪新作と続編、一旦同時にリリースしたいと思っております(*^ω^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 華花。さん» 初めまして！誤字脱字などお見苦しい点など多々あったにも関わらず、その様に仰って頂き嬉しい限りです(^^)やっぱり自分の好みは中々変えれず、新作も同じ様な雰囲気の作品かもですが宜しくお願い致します(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 星の桜さん» 有難う御座います！最高と言って頂けてとても嬉しいです(^^)短編もご希望頂いて俄然創作意欲が湧きます！只今準備中なのでもう少々お待ち下さいませ(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 完結おめでとうございます出来たら出産の後の２人目の子育てやハロが降谷家に来た話とがいっぱい書いてほしいです (2019年6月6日 13時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年4月14日 4時
