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..
『降谷、いい話があるんだが？』
あれは..黒の組織壊滅後に、突如湧いて出た話だった。最初は昇進かと思い嬉々として飛びつくと、何の事は無い。全く以って興味など無い見合いの話だった。突然態度をひるがえし始めた上司達。
忘れもしない。
潜入捜査で生死を彷徨う大怪我を負った時の事だ。
『もっと上手くやれなかったのか？』
『余計な事を..』
国の為に命を賭して...死力を尽くした降谷への言葉。そこに部下を心配する配慮は無く、代わりに浴びせられたのは、面倒な後処理や責任の所在を疎ましく思う懸念と叱責。存在したのは、自分達の保身だけ。
それから降谷の昇進に比例して、都合良く増加する見合い。そんな日常にうんざりしている中、ある人物からその話題を切り出された。昔から世話になり、頭が上がらない人物からの申し出である。
降谷が尊敬の念を示す事が出来る数少ない人物。
降谷と愛依の仲を知った上での提案は、立場を利用した物としか思えないし、気が進まない。それでも、今野次長の顔を立てる為に、降谷は今回限り
話を受けたのだ。
「...さん、」
ふと手を伸ばすと、シルクの様な滑らかな手触りがするシーツ。それは、自身の重みでくしゃりと
線を描いている。
花？
真っ赤な薔薇の花弁が、シーツにこれでもかと盛大に散らされているではないか。どこぞのハネムーンか？と思わず突っ込みたくなった。
「零さんっ！」
A...
じゃなくて、愛依？
あぁ..
そうだった、一応まだ見合いの途中か..
降谷は、やけに座り心地がいいのはスイートルーム自慢の立派なベッドだからだ、とようやく気づく。愛依が隣に居ると言うのにベッドに腰を下ろすと、
1人で憂鬱な気分に浸っていた。先程のくだらぬ事を思い出したせいだ。
それは降谷の事情であり、愛依には関係無い。
その為彼女は、おかまい無しに自分の都合で続けた。
「零さんのお仕事の事..私なりに理解しているつもりです。」
「有り難う、そう言ってくれると助かるよ。」
「いつまでも待ちますから。」と、愛依はにこりと綺麗に微笑んで見せる。それから、少し酔いがまわって来たせいか、だらしなく降谷の肩に頭を預けた。
そう来たか..
「...悪いが、それには応えられない。」
はっきりと言ってやった。
彼女とこれ以上、深間になり身を持ち崩す事だけは
避けたかった。そんな最悪なシナリオはごめんだ。
「もしかして..他に好きな人でもいるの？」
「そうだよ。」
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
