＊ ページ35
「その人は、公安..の方？」
酒を浴びてほんの少し頬が染まった愛依。
不安の色を滲ませながら、恐る恐る降谷を覗き込む。勿論、降谷の腕を我が物とし、自身の腕を絡ませる事をやめなかった。
「さぁ、どうかな。僕は潜入捜査が
随分長かったからね。」
「お付き合い..されてるのかしら？」
「ははっ、僕みたいな男に恋人は無理だよ。
それは、君が “ 良く ” 知っているだろ？」
降谷は、ゆっくりとその瞳を閉じた。
だって..そうだろう？
ましてや僕は上司。
Aを幸せになんて出来るのか..
まだ、あんな任務が残っていると言うのに。
また愛依ではなく、Aの事を瞼の裏に浮かべてしまった。Aが嬉しそうに笑う姿がぐるぐると浮かんでは消える。
そんな事を知る筈の無い愛依は、降谷に密着したまま満足気な表情。やがて、沈黙が訪れる。
押し黙ったままの2人は、全く別々の事を考えながら
お互いのぬくもりを感じていた。
大きな大きなこのガラス越しに浮かぶモノ。
眼下に広がる煌びやかな輝き。それは、濁った都会の夜空をいとも簡単に掻き消す程に、どぎつく個々を主張し輝く。
愛依はコレを見たいと言った。
恐らく其れは、建前も甚だしい。
今野次長は娘にこんな部屋まで用意させて..
その奥に見える意図が見え隠れし、頭がクラクラして吐き気がしそうだった。
全く..面倒だな。
ドサッ――
日頃の激務から来る疲労と愛依の密着を避けたい思いで、遂にはその背を完全にベッドへ預け、身を沈めたのだ。仰向けのまま。
既知の仲である2人。降谷はつい、気を緩めてしまい
そのまま直ぐに目を開く事はしなかった。
「れ..い..」
パシャリ――
自身の唇に、柔らかな感触がしたと思うと
嫌な電子音が響く。
しまった！
不意打ちでのキス。
愛依が見兼ねて、大胆にも降谷の口元へ自身の
ソレを重ねたのだ。昔のように。
「おい、やめろよ。」
何をされたか直ぐに理解した降谷は、苛立ちを
隠す事など出来なかった。ガバッと上体を起こすと
スマホを握る愛依の手首を掴んで、写真を消すように促すと、
「零さん..私の気持ち、知ってるくせに。」
「それとこれとは、話が別だ。さぁ、早く消してくれ。」
降谷が取り上げようとすると、愛依は床に自身の携帯を放り投げた。たまたま、間接照明の器具と接触し無残にもヒビが入る。起動する事はもう出来ない
状態だ。
「これで満足ですか？いつまでも子供扱いしないで。」
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
