＊ ページ23
「なんだ、風見か..」
ちっとも悪びれる様子も無く、ゆっくりとA
から距離を取る。その際、降谷の指通りの良い髪が
悪戯にAの頬を撫でた。
Aは終始発言する事は無かったが、その頬を
ほんのり桃色に染め静かに応える。
「何だじゃないですよ、降谷さん。月並さん相手に何やってるんですか。」
深いため息交じりの呆れ声。
「もしや、お邪魔でしたか？」と付け加えられた。
「いや、話してただけさ。」
風見の口が思わずあんぐりと全開になりそうだった。どこが！？と、思わず突っ込みたくなったのだろう。
「まぁ、いいでしょう。それよりお忘れですか？
もう出ないと間に合わなくなります。」
「しまった！そうだった。」
皆言うだろう。風見はまるで、降谷専属の秘書のような存在だと。
「A、すまない。風見との視察、失念していたようだ。さっきの事は、また連絡するから。」
小さく「はい。」と返事をしながら、
風見と降谷の長身2人が慌てて出て行く姿をぼんやりと見送った。
未だに熱を持つ自身の耳元を触れながら。
それもこれも、必要以上に距離を詰めて来た降谷の所為だった。
もし、あのまま風見さんが来なかったら..
キス..
されてた。間違い無く。
あの気怠い甘さを纏う雰囲気は、いつぞやの
彼みたいだったから。
ねぇ、降谷君。
この気持ちを委ねても...本当にいいの？
麗しい愛に憧れるA。以前の様に
愛の言葉無しに、身体を許すのはもうこりごり。
そんな気持ちを1人、心の奥底で反芻していた。
Aは、すっかり興ざめ状態。今日はもう
早目に仕事を切り上げて、自宅でゆっくり過ごすと決めたのだ。不安定な踵を思い出し、庁舎を後にすると直ぐにタクシーを拾う。真っ先に向かうは
行きつけのスーパー。
「わぁ！まだこんなに沢山..」
びっしり所狭しと綺麗に陳列されている生鮮食品の数々。いつも売れ残り状態の時間帯にしか訪れない為、こんな早い時間に、しかも品揃えがバッチリで楽しくて堪らない。ついつい、商品に手が伸びてしまう。牛肉を選んでいる時だった。
ブルブルと震えるポケットに気づき、一旦カートを止める。
「もしもし......赤井さん？」
送話の主は、赤井秀一。
昼間の打ち合わせの続きだろうか。
「えっ、今から？」
どうやら夕食のお誘いだったようだ。
先程の牛肉をカゴに入れながら返答する。
「...ごめんね、せっかくだけど荷物が多くて
もう帰る予定なの―――」
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
