2人の誘い ページ22
「ちょっと、佐々木さんっ！」
「おーこわっ。でっ、どうだった？」
庁舎に戻って来たA。途中、煙のように
忽然と消えた佐々木を恨めしく思っていたのだ。
「..さっきの、わざとですよね？？」
「さぁな？」
「おかげで最初、降谷さんの機嫌悪かったんですよ。」
「へぇ、そら良かったな。」
「はぁ！？」と漏らすAに抗議する間も与えない。ニヤニヤとわざとらしい笑みを浮かべながら、
横を素通りする佐々木。
「んじゃ、俺もー出るから。」
今から基礎調査に出る佐々木を、Aは悪態をつきながら見送る事しか出来なかった。
黒の組織程では無いが、主に違法な薬等の横流し、背乗り(工作員などが現地人になりすまし戸籍、身分等を乗っ取る事)など、とても目を瞑る事の出来ない不穏分子が近年活発になって来ている。
その主要人物を佐々木は監視しているのだ。
決して、世間に...表沙汰になる事は許されない。
秘密裏に今日も任務に従事する。
その日、降谷が自分のデスクに戻って来たのは
陽も傾き始めた17時頃。
辺りがほんのりとオレンジ色に染まり行く時。
綺麗だと、そう思えるのは最初だけで、フロアに差し込む西日が強過ぎるのだ。皆が過ごしやすい様にブラインドカーテンを調節していると、
「Aっ、こっち。」
それは煩わしい西日が、
見惚れるような光景に変わる時。
黄昏時―――
胸を弾ませながら振り返ると、黄昏の海に
美しく染まる上司が手招きをしていた。
えも言われぬ輝きに、つい見とれてしまう。
「靴、大丈夫か？」
「 ...!? 」
かなり身長差がある2人。降谷がぐっと腰を曲げ、
Aの耳元で囁いた。
他の者に聞こえぬ様、そっと。
「今日..この後上がれそう？その..
一緒に靴、見に行かないか？」
「えっ、あっ......へっ！？」
声にならない様なまぬけな声が漏れた。
「だ、か、ら、一緒に帰るぞ？」
「ふ、降谷君？」
いつもと違う上司に戸惑ったのだ。
いや...
嬉しい気持ちを抑えながら、素直に喜べない自分が居る。急に以前の様な距離感で、再び接し始めた降谷零に疑念の目をつい向けてしまった。
何かおかしい。
彼をそう突き動かすモノとは..
「聞こえないのか？A」
そう言って、彼の形の良い唇がAの耳元に
わざとらしく更に迫った。
それは、もう...
キスの領域――
コンコン。
パーテーションを叩く音が、2人の距離を遮った。
「何やってるんですか、降谷さん。」
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
