十三箇所目 ページ14
ルフィside
「おやすみAさん」
「おやすみみんな、いい夢見てね」
夜、トラ男は帰り俺はAと一緒に甲板から海を見る。今日は俺が付き添いだからな！
「今日はルフィが付き添いしてくれるんだね、ありがとう」
「おう！ 任せとけ！」
「まあすぐ寝るんだろうけど……頼りにしてるよ」
「俺は海賊王になる男だぞ！ そんなすぐに寝たりしねえ！」
「はいはい、ほらあんたの分の夜食。物足りなかったらあたしの分もあげるから」
そう言ってAは俺に自分の夜食を差し出す。ほんといいやつだな！やっぱり母ちゃんみてーだ！
「……ねえルフィ」
「んあ？ なんだ？」
「この世で一番汚れてるものって、なんだと思う？」
Aは遠くを見つめながら言う。俺はAの横顔を見ながら考える。よくわかんねーな。
「わかんね」
「まああんたとは縁もゆかりも無い話題だろうからね。あたしはね、人の心だと思ってるんだ」
「心？ なんでだ？」
「人間生きていれば、いい事も悪い事も経験するでしょ？ そういう経験を重ねていくうちに自分の心の隙間にどんどん汚れが溜まって、弱さになってしまう。だけど人はそれを見て見ぬふりをして隠してしまうんだよ」
「……」
「けどね、汚れってのは暗くて狭いところに集まるものだ。なら心を明るくて広くすれば、汚れは嫌がって寄っては来ない。溜まった汚れを追い出す方法はただ一つ」
「？」
「笑うこと、だよ。心から笑えば、心に風が吹き込む。そうして汚れを外に吐き出してあげるの。たくさん笑って風を起こせば、いつだって心はスッキリ爽快だよ？」
Aはそう言って、俺に顔を向ける。月明かりに照らされて、Aの目に光が入る。
「どんなに汚れてたって、根気よく向き合えば綺麗になれる。けどね、人の心の汚れってのは手強いものだ。だからせめて、心を汚さないように生きる。それが綺麗を保つ秘訣だよ。それでも汚れた時は、あたしが掃除してあげる。だからあんたは、今と変わらないで真っ直ぐ生きてね？」
言い終わるとAはまた海に顔を向けた。俺はしばらくAを眺め、気付いた時にはAを抱き締めていた。なんでそうしたのかは俺にもわからねえ、けどそうしたいと思ったんだ。
「ふふ、眠くなっちゃった？ いいよ寝てて、何かあったら起こしてあげるから……あたしの分までゆっくり眠って」
Aは俺の背に手を回し、トントンと手で優しく叩く。けどまだAともっと話てぇ……
「おやすみ、ルフィ」
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ポプリん(プロフ) - 翠さん» 翠様、コメント下さりありがとうございます！ 身に余るお言葉の数々、痛み入ります。本当にありがとうございます！ 次回は短編に挑みたいと考えておりますので、是非また楽しんでいただけたらと思います！ (2023年3月28日 8時) (
レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - まおさん» まお様、コメント下さりありがとうございます！ 応援までしていただけて本当に嬉しいです！ 素敵なアイデアありがとうございます♪シチュ溜めをして短編にしようと思うので、他にもアイデアあれば是非教えてください！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - きてぃーさん» きてぃー様、コメント下さりありがとうございます！ 遂に完結させることが出来ました、応援して下さり本当にありがとうございました！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても素敵なお話で前から応援させていただいていました。とても好きな作品でした。お疲れ様でした。 (2023年3月27日 13時) (レス) @page50 id: 090a3776e1 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！イチャイチャや嫉妬する姿見てみたいです（ ; ; ）🌟 (2023年3月27日 3時) (レス) @page50 id: 2c8060619c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポプリん | 作成日時：2022年8月14日 18時
