四十四箇所目 ページ45
ルフィside
「くっ……応援を呼ばないと流石に……」
「無駄だよ」
何とか立ち上がろうとする青キジに、Aは冷たく言い放った。いつもの優しい声とは違う、鳥肌が立っちまうような声だ。
「本当に見境が無いんだね、あんたたち海軍ってのは。正義を履き違えて好き勝手やってる事に気が付きもしないで……笑わせてくれるよ」
「A……」
「今でもぞっとするよ、あんたたちみたいな存在にあたしの大事なものを奪われたんだと思うと……本当にぞっとする」
苦しそうに顔を歪める青キジに、Aは更に気迫を込めて近づく。その度に空気がビリビリとし、俺も立っているのがやっとになる。
｢あんたは当事者じゃないから知らないだろうけど、奪われた者からしたら関係ない……家族を、レヤを返せ。あたしのたった一人の……弟を｣
かっと目を見開いたA、それと同時に地面にヒビが入り、青キジはその場に倒れ込んで動かなくなってしまった。何が起こってんのかは分かんねーけど、逃げるなら今しかねえ！
そう思った俺は、何とか身体を動かしてAの身体に手を巻き付けると、船へと一緒に戻った。
｢出航だ！ 急げ！｣
俺の声にジンベエが急いで船を出航させ、俺達は海軍から何とか逃げ切ることが出来た。
｢……｣
出航してしばらく、Aはずっと黙ったまま海を眺めていた。俺達はどう声をかけていいのか分からず、互いに顔を見合わせることしか出来なかった。
｢……みんな、ごめんね｣
ふとAが口を開き、俺達は一斉にAに顔を向けた。力なく笑うAに、俺は強く抱き締めてから言った。
｢なあ、教えてくれよ。お前に一体何があったんだよ……お前の弟は、あいつらに何かされたのか？｣
｢……うん、みんなに話すよ。かなり長いし、決して楽しい話じゃない。それでも……聞いて欲しいんだ、あたしの過去を……聞いて、くれる？｣
｢当たり前だ！｣
俺の言葉に、みんな頷いてその場に座る。その様子に安心したのか、Aも俺の隣に座り、ゆっくりと話し始めた……Aに何があったのかを。思えば、Aの事を俺達は何一つ知らなかった。仲間なのに、何を抱えているのかも、苦しんでいるのかも。何より……俺は好きなやつの事を何も知らなかったんだよ。ごめんな、A……何も出来なくてよ。
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ポプリん(プロフ) - 翠さん» 翠様、コメント下さりありがとうございます！ 身に余るお言葉の数々、痛み入ります。本当にありがとうございます！ 次回は短編に挑みたいと考えておりますので、是非また楽しんでいただけたらと思います！ (2023年3月28日 8時) (
レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - まおさん» まお様、コメント下さりありがとうございます！ 応援までしていただけて本当に嬉しいです！ 素敵なアイデアありがとうございます♪シチュ溜めをして短編にしようと思うので、他にもアイデアあれば是非教えてください！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - きてぃーさん» きてぃー様、コメント下さりありがとうございます！ 遂に完結させることが出来ました、応援して下さり本当にありがとうございました！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても素敵なお話で前から応援させていただいていました。とても好きな作品でした。お疲れ様でした。 (2023年3月27日 13時) (レス) @page50 id: 090a3776e1 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！イチャイチャや嫉妬する姿見てみたいです（ ; ; ）🌟 (2023年3月27日 3時) (レス) @page50 id: 2c8060619c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポプリん | 作成日時：2022年8月14日 18時
