【占ツク】人気作者の光と影

1 ページ2

.

　誰でも気軽に小説を書けるサイト、占いツクール。私はあっという間にハマった。

　大好きなアニメキャラの夢小説はもちろん、続きが気になるオリジナル小説、ハイテンションな検定、ドキドキするフローチャート、面白いものをたくさん詰めたおもちゃ箱のようだ。

　私と同じ年代の女子が多いからか、好みに合うものや共感できるものがいっぱいある。


　きっかけは好きなアニメキャラを検索したときであった。たまたま占ツクの夢小説が結果に出てきたので開いてみたのが始まり。

　最初はログインしていなかったが、しおりを使いたくなってすぐにログインした。そんな私のユーザー名は「ありす子」。まだまだ駆け出しユーザーだ。


　初めてログインして一週間。色々な作品を見た私はさっそく自分の小説を書きたくなっていた。あんな風に作品を作って、更新してみたい。

　そうとなったら善は急げ。私はすぐに小説作成を始めた。ジャンルは今流行ってて私も好きなアニメ「黒衣のバレー」にしよう。バレーボール部を描いたアニメで、イケメンキャラがたくさん出てくる。

　私が今まで何度か頭の中で妄想してきた内容を編集画面で文字にしていった。

　タイトルを決めて、説明文も書いて、設定ページと本編を3ページ書いた私はオリジナルフラグを外し、ついに保存ボタンを押した。


　初めての作品。とってもドキドキする。
　どんなコメントがくるかな。10評価くるかな。お気に入り登録してもらえるかな。

　高揚する気持ちを抑えられずに何度も自分の小説を眺める。しかし、ヒット数はなかなか伸びない。

　そんなに早くコメントや評価が来るわけないのに、なぜかパソコンの画面から離れられない。つい何度も読み込んで確認してしまう。

「早く評価こないかな〜」

　そう呟きながら何十回目かの確認をしたときだった。通知が来ている。私はワクワクしながら急いで確認した。


崇禍原(タカマガハラ) - なにこれクッソつまんねｗこんなんで公開するとかマジありえねーｗｗ恥ずかしくないのかよｗｗｗ (レス) id: 02kn533jth (このIDを非表示/違反報告)


　そんな言葉と共に、評価欄にはたった一つだけのお星様が。
　私はマウスを持つ手を震わせながら泣くのを我慢した。

2→←はじめに

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す