ずっと、ずっと。3 【俺スカ】

94 ページ9

「川崎ぃ〜任務遂行致しましたぁ〜」

なんとか立ち上がって、東条にメイクをする川崎の元へ行き隣に座る。

「おー！お疲れー！どうだった？上手くできた？」

「なんとか、です」

頑張ったね、と頭をポンポンしてくれる川崎に癒される。

「何、大城。化粧したの？明智に？」

何にも知らない東条は驚いてお目目がまん丸だ。

「そだよーできたんですよー川崎たちのお陰で」

ねーっと2人で顔を見合わせる。
可愛い。女神。

「まじかよ。明智パンダの着ぐるみ着ることになったの？後で見に行こう」

「川崎ぃ、私がメイク変わるよぅー」

「ちょちょちょっ…！それはやめて！お前、今すっげぇ企んでる顔してる！」

私がメイクをするのは全力でフォロー拒否されたので、大人しく隣で見ていることにします。


「…あっ！」

「もう、びびりすぎ」

つけまつ毛が目に近づいてくるのが怖くて声をあげる東条。
だっさー、と呟けば、うっせ！と返される。

「去年、お化け屋敷行った？」

川崎がビビりの東条に聞く。

「行ってない」

「行かなくて正解だね。岡田先生のお化け屋敷、超怖いらしいから入ってもビビりすぎて出れないよ」

野次を入れてやろうと思ったけど、東条の顔を見て口を噤む。

「お前、今日誰かと行くの？」

「私？いかない」



「…行く？」

「いや行かない。私怖いの苦手だから」

撃沈ー。
ドンマイ東条。

口パクで
「ふ ら れ た ー」とおちょくってやると
「だ ま れ」と同じ口パクで返してくる。

「ねぇいいからさ、じっとしてくんない？」

「はい…」


この2人今後の観察対象だなぁと思いながら、
秀ちゃんをチラッと見ると、原田先生に手の形を教えてもらってる。
口がおちょぼ口になってて可愛い。
お写真いただきまーす。

先生が納得出来ずに何度もやり直しさせられて、
「っもう、わっかんない！」
と投げやりな秀ちゃん。

そんな秀ちゃんが東条に目で合図をして、東条は教室から出ていく。


これから原田先生のサプライズ誕生日会だ。

95→←93

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す