【ポケモン】二人一緒が1番良い！【原型夢】 (ページ3)

今日:5 hit、昨日:21 hit、合計:2,027 hit

わけわからないやつに懐かれるはなし③　デンジュモクページ3

『ちょ、ちょっと･･･な、なんなの！？』

いきなり自分の身体の大きさの3倍くらいある生き物に飛びつかれて、びっくりしたけど････私の身体を抱きしめるその手は、まるで壊れ物を扱うみたいに優しかった。

よく見ると、頭の金平糖みたいな部分がピカピカ光っている。何だろ？嬉しいの？よくわからない･･･。

なんなんだろう？って思ってじーっと見ていると、なぜかその生き物は私の前で身体を屈めてビカビカと光る頭を出してきた。

『えっと･･･なに？触ってもいいの？』

私のその問いかけに、返事なんてないと思ってたら･･･初めて目の前の生き物は、鳴き声をあげた。

少し明るい、上ずったような声。多分これはYESの意味だと解釈した。

そーっと、驚かさないように･････その金平糖みたいなトゲトゲした頭部を恐る恐る撫でると、長い長い手をくねくねさせて嬉しそうな声を上げた。うん、どうやら正解だったみたいだ。

『･････家まで送ってくれて、ありがとうね』

言葉が通じるのかはわかんないけど･･･目の前の不思議な存在にお礼を言った。意味は通じたのかはわからないけど、電線の彼？は･･･頭をあげて、もう1度くねくねとした後に私の頭を手先？の銅線みたいな部分で撫でてくれた。撫でたお返しのつもりなんだろうか。

そんなやりとりをしてるうちに、ママの声が聞こえてきた。

「A！！！そのポケモンは危険だから離れなさい！！！」

「Aさん！警察です！無事ですか？！」

って、ママとおまわりさんの声が聞こえてきて････私はその電線の生き物と顔を見合わせた。

『････どうしよう、このままじゃ･･･あなた、連れてかれちゃうよ。何も悪いことしてないのに･･･』

少し一緒に居る間に情が移ったのかもしれないせいか･･･なぜか私は目の前の生き物が危険なポケモンだって思えなかった。

どうしようって私が悩んでいると、目の前の彼は長い手を伸ばして、私の学習机の上を漁った。

『えっ？！な、なにをしようとしているの！？そ、それは･･･！だ、ダメだよ！』

電線の彼は、何故か私の学習机の上にあるモンスターボールを掴んで、コツンと自分の金平糖みたいな頭部に当ててしまった。

『あーっ！！』

思わず、仰天してしまって･･･私は大声をあげてしまった。

そして････目の前には電線の彼が入ったモンスターボールだけが残されて･･･その後、ママと警察官の人たちが私の部屋にバタバタと入ってきた。