15 ページ15
……うるせぇな。
耳障りなアラームをスマホの画面をスライドして止めると時間を確認する。
肌に触れる白いシーツに違和感を感じて昨日のことを思い出して頭は一気に覚醒した。
慌てて横を見ると当たり前だけどAがいる。
寒いのか肩まですっぽりと布団にくるまって眠ってる姿が可愛くて頬に触れると昨日のことが鮮明によみがえる。
「…っ！！」
思わず膝に顔を埋めて悶絶した。
なんか調子乗って３回くらいやった気がする。
恐る恐る布団を捲ると点々と血がついてる。
夢じゃない。
夢じゃないことくらい分かってたけど、夢じゃない。
一気に後悔が襲う。
ていうか、付き合ってもないのにヤるってなんだよ。
いや、いやいやいや、そういう関係性があるのは分かってる。
でも、元生徒だぞ！？
教科担当でしかなかったとしても！！
「…せんせ？」
体が跳び跳ねそうなくらいびっくりした。
「お、おはよう。体、その、大丈夫か？」
「…うん、ちょっとだるいけど、なんとか…。それより学校に行かなくて大丈夫なの？」
言われて慌てて時間を見ると出勤時間が近い。
「悪い。今日何時に帰るんだ？」
「…昼には帰るよ。」
「そ、そっか。」
昨日あれだけのことをしたのに見送りもできないのかよ。
「それより先生は自分のこと考えたほうがいいよ。昨日と同じ服着て行かなきゃいけないんだから。」
いつも通りの憎まれ口に床を見ると乱れたままの衣服が散乱してる。
「朝帰りのまま出勤なんてやらしい先生だね。」
…昨日はあんなに可愛かったのに。
変わらない態度が嬉しいような嬉しくないような。
やっぱり責任取って付き合うべきだよな。
つーか、少しくらいなんか思うもんじゃねぇの？
こんなに色々考えてるの俺だけかよ。
そう思うと悔しくなる。
「どうしたの？遅刻しちゃうよ？」
ほんと初めて会ったときからムカつく奴。
頬を片手で掴んでキスすると、さすがにすると思ってなかったのか驚いたような顔をする。
「あんまからかってんじゃねーよ。」
時間を見るとそろそろ本気でやばくなってシャワーを浴びて出るとAは二度寝をしたようだ。
寝顔を見る間もなく慌てて着替えて部屋を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆーり | 作成日時：2017年12月14日 0時
