【松村北斗サイド１】 ページ17
明日は久々のオフ。
読みたい本が溜まっていて寝たのは朝方。
今日は昼すぎまで寝てやるって思ってたのに携帯の着信が鳴り響いていた。
北斗【ったく誰だよ…】
眠たい目をこすりながら見たディスプレイには出ずにはいられない名前が俺を呼んでいた。
北斗【もしもし？】
A《もしもし、ほくと》
北【どした？】
《あ、まだ寝てた？ごめんね》
北【ちょうど起きようと思ってたとこだから大丈夫】
なんて気を使う俺は成長したのか
Aに好かれたいだけなのか。
《ごめんね》
北【ん。どうした？】
《あのさ… 》
北【なんだよ】
《あのね…》
北【ぉん】
《この前、北斗が教えてくれた洋服屋さんの名前なんだっけ？》
北【○○の事？】
《ぁあ！そうだ！いつものカフェを右に曲がって〜》
なんて一生懸命道案内をしだして俺は耳を傾ける。
北【違うって次も右】
《えーでも右に曲がったはずなんだけどな…》
北【もしかして道に迷ってんの？】
《あ、全然！迷ってない！順調だよ》
嘘が下手か…店の名前も思い出せなかったくせに…
北【じゃ今どこよ】
《あれ、またカフェのとこに戻ってきちゃった…》
北【迷ってんじゃん】
《笑わないで。それに迷ってるって言ったら又馬鹿って怒るでしょ？》
北【怒んないよ…方向音痴さにはもう慣れた】
《ほんと？》
北【ほんと。だから正直に言ってみな】
《実は…迷っ…》
北【知ってる】
《ごめんなさい》
北【で今カフェだっけ？】
《そう》
北【じゃそこにいて。今から行く】
《いいよ！北斗休みなんでしょ？悪いから大丈夫。もう１回行ってみる》
北【迷子は想定内。電話しながら準備終わったからすぐ行ける】
《え、ちょ、ほく…まっ》
なんか言ってたけどとりあえずAがいるカフェへと急ぐか。
Aを見つけて緩みそうになる頬を抑えて
北【A】
《北斗！はやっ。ありがとね》
北【どういたしまして、ほら行くぞ】
しばらく歩いているとなんだか暗くなるA。
無理矢理俺が来たし迷惑だったのか…
北【A？】
《ごめんね》
北斗【俺の方こそ…】
《私こんな格好でごめん》
北【ん？】
《北斗に会えるならもっと可愛い格好してくればよかった！》
なんだよそれ。てっきり俺は…心配して損した。
北【いつもと一緒じゃん】
《え〜》
いつも通りだよ。どんな顔でもどんな格好でもどんな時でもAは可愛いだろ。
続く
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作者名：ぽぽちゃん６ | 作成日時：2020年10月17日 12時
