阿部が恋したのはSixTONESの紅一点

阿部の気持ちは伝わった？ ページ20

そうやって直ぐ隠そうとする。



だって、ジャニーさんの話をしてた時今にも泣きそうな顔をしてんじゃん。



でも、そうやって無理矢理にでも隠そうとするからそれ以上踏み込めない。



結局見て見ぬふりをするしかないじゃんか。



『阿部くんは今恋してる？』

｢うん、してるよ｣



ふと聞かれた質問に反応する。



真っ直ぐAちゃんを見つめたら、パッと表情が明るくなり俺を真っ直ぐ見つめる。



『どんな子なの？』

｢うーん。頑張り屋さんかな。でも、自分で何とかしちゃうから俺が助けてあげられる場所がないんだよね｣

『そうなんだね。すごいねその子。1人でなんでも出来ちゃうなんて』



そうなんだよ。



すごい子なんだよAちゃんは。



『その子を思うとどんな気持ちになるの？』

｢どんな気持ちか…胸がぎゅっとなるかな。もっと傍に近づきたいのにきっかけがないんだ。だから少しもどかしくて、たまに焦る｣

『なんで焦るの？』

｢いつか誰かに取られてしまうんじゃないかって。本当は隣で笑ってて欲しいけど今は無理だってわかってるから｣

『なんで？もしかしたらその子も阿部くんのこと好きかもしれないでしょ？』

｢どうだろうね。きっとその子は俺が好きなことにも気がついてないよ｣



そうなの？ってAちゃんが困った顔をする。



｢そうなんだよね。それに、その子は今俺と恋愛してる場合じゃないみたいだからさ。やりたいことがあるんだって｣

『んー。恋愛って難しい。ただ好きなだけじゃやっぱりダメなんだね』

｢うん。相手のことを考える気持ちも大切だよね。だから、俺は今その子を見守ることにしたんだ｣

『…阿部くんって大人』

｢Aちゃんより年上だからね｣



目の前では難しい顔をしたAちゃん。



きっと、俺の気持ちにはまだまだ気がつくことは無いんだろうね。



それでも、俺はもう少し待つことにするよ。



｢勉強になった？｣

『んー。難しいけどなんだか話を聞いてたら胸の奥がじんわりと暖かくなった』

｢人それぞれ色んな感情があるから色んな人に聞いてみたらいいと思うよ｣

『うん。また、困ったら阿部ちゃん先生頼ることにする』

｢いいよ。俺で答えられることがあれば｣

『ありがとう！』



Aちゃんは1番笑顔が似合ってるよ。



だから、あんな悲しい顔をしないで欲しい。



無邪気に笑うAちゃんが大好きだ。

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