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お風呂から上がると着替え用の浴衣が用意されていて、それに着替えて外に出るとすぐ側に宮舘さんが立って待っていた。
宮舘「お湯加減いかがでしたか?」
『すごく気持ちよかったです』
宮舘「それは良かった。お部屋案内致しますね。傷の手当もそこで」
宮舘さんの後ろを着いて歩くが本当に広い家で迷子になりそう。
案内された部屋に入ると既に布団が引かれていて、1人にしてはかなり大きめの部屋。
宮舘「好きに使ってください。また何か必要なものがあれば仰って頂ければご用意致しますので」
『すみません…ありがとうございます』
宮舘「いいえ。若のご友人ですから」
『…あの…阿部くんは』
宮舘「まもなく来るかと思いますよ」
「今大丈夫かな?」
『あ、はい!』
その言葉通り、障子の奥から聞こえてきたのは阿部くんの声。
宮舘「それでは私はこれで…ごゆっくり」
宮舘さんが荷物を持って部屋を出ていき入れ替わりで、阿部くんが部屋に入ってきて私の目の前に座ると、なんだかさっきより雰囲気が柔らかい気がした。
「傷の具合は大丈夫?」
『うん。宮舘さんに手当してもらったから』
「そっか…良かった」
何を話したらいいかわからなくて、静まり返る部屋。
私は阿部くんから目を離すことが出来なくて、あの幼い小学生だった頃の名残を残しながら、大人の男性になった阿部くんはとてもかっこよくて少しドキドキしてしまう。
「何?そんなに俺のことを見つめて」
『かっこよくなったなって。すごくドキドキしちゃう』
素直に答えれば、阿部くんは驚いた顔をするとすぐに笑いだし私の手を握る。
「あんまり俺の事煽らないでよ…。羽田さんもすごく綺麗で可愛くて俺ドキドキしてるよ」
ドクンッと心臓が跳ね上がり、阿部くんの手を握り返していた。
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作者名:ぽぽ | 作成日時:2022年11月30日 19時