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「忘れ物ない？」
『うん。大丈夫』
「また終わる頃に迎えに来るから」
『いいのにそこまでしなくても』
「Aとの時間作りたいから」
『ありがとう』
大学近くまでに亮平に送ってきてもらい、車内で少しだけ別れを惜しんでいた。
たかが数時間なのに。
「それじゃ気をつけて。いってらっしゃい」
『ふふっ。行ってきます』
触れるだけのキスをすると、助手席から降りて大学へ向かう。
甘い時間を過ごしすぎて、1人になった瞬間寂しく感じる。
渡辺「おっす」
『…あー。渡辺』
渡辺「なんだよ。その俺で不満みたいな…悪かったな俺で」
『…別に』
大学の授業が結構被ってる事もあり、気がついたら仲良くなっていた渡辺翔太。
割とここでは有名人で、女にモテて遊びまくってる最低男。
私をはねのけて渡辺に話しかける女の子もいるくらいに、熱狂的なファンみたいな子もいる。
なんでそんな男と仲がいいのか私にもわからないけれど、お互いに深く干渉せず出れなかった講義のノートを見せあったりしてて、お互いに助け合える友人的な存在。
渡辺「なんだよさっきから。また嫌なことでもあった？」
『んー。そんなんじゃないけど寂しいなーって』
渡辺「なに？人肌恋しい的な？俺が寂しさ埋めてやろうか」
『はぁ？キモ…そう言うの渡辺に求めてませんから』
持っていたカバンで渡辺を殴るとそのまま講義室へと、一足先に向かった。
渡辺「…お前がいいなら俺は全力で埋めてやるのになその寂しさ」
渡辺の言葉なんて聞こえないまま。
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作者名：ぽぽ
| 作成日時：2022年11月30日 19時
