loss of memory 阿部恋シリーズ (ページ16)

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16 阿部side ページ16

山口さんに関しては
阿部の恋人はSixTONESの紅一点4 私の知らない彼を知る人
を読んでいただけると読みやすいかと思います。

──

渡辺｢飯食ってんの？｣

｢うん、それなりに｣

最近、メンバーに心配されることが増えて自分なりには、普通に過ごしてるつもりなんだけど、少し申し訳なくなる。

コンコンって突然と、部屋の扉をノックする音。

近くにいた、ふっかが扉を開けると一瞬固まる。

深澤｢え？なんで？｣

山口｢私仕事できてるの。これ、衣装届けに来ただけ｣

聞き覚えのある声だなんて思うと、ふっかの先には、山口が衣装を何着か持って立っていた。

山口｢失礼。これ、アシスタントの子が間違えちゃったみたいで届けに来たの。ごめんね忙しい時に｣

ハンガーラックに衣装をかけて、違う衣装を回収すると、俺のほうをチラッと見て目が合う。

山口｢…Aちゃん大丈夫？｣

｢…たぶん｣

山口｢多分？会ってないの？｣

｢…｣

山口が言う通り、目を覚ましてから1度も会いに行っていない。

少し気まずくて、目を逸らした。

山口｢なんで？あんたが近くにいてやらなきゃダメなんじゃないの？記憶がなくたって｣

｢…俺がそばに居たら負荷になるじゃん。だから、Aちゃんが落ち着くまで距離置こうって思ってる｣

その言葉に驚いたような顔をすると、すぐに顔を顰め俺を睨んだ。