【完】梅 と 松【梅原裕一郎】

ひょろっと ページ39

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「それでは今週の復刻梅原ニュースです」

「えー、報告」

「はいなんでしょうか。お願いします」

「私事ではあるんですけど、妻のAが妊娠しまして、父親になります」

「おめでとうございます〜！めちゃくちゃ嬉しいよ！」

「そして、Aが声優を引退することに決めました。相当悩んで出した結論だし、僕も一生懸命支えていくし、父親として夫としてAと子どもを守っていきたいと思います」

「うんうん…Aが辞めちゃうのは本当に寂しいけど応援する」

「とにかく今はAの事を第一に考えたいと思いますので、よろしくお願い致します」

「梅ちゃんパパになるんだね！ついに！Aもママかぁ〜」

「このご時世だし立ち会えるかどうかが心配なんだけどね、Aは立ち会って欲しくないんだって」

「え、なんで」

「うめの手握りつぶしそうだし、言っちゃいけない言葉を言っちゃいそうだからって」

「まあそうなるかもしれないよね。想像出来ないくらい痛いんだから」

「Aがそう言うなら希望の通りにするけど心配じゃん。Aと子どもに何かあったらどうしようって。俺の命いくつあっても足りないよ」

「だからといって梅ちゃんまで命投げ出したらダメだからね！？てか一個言っていい？」

「なに？」

「さっき梅ちゃんさ、僕の妻って言ってたじゃん。なんかキュンとした」

「この言い方初めてしたから自分でもドキッとした。てか、もし俺とAが夫婦だってこと知らない人いたらなんでこんな急に馴れ馴れしく話してんだと思われちゃうじゃん」

「そんな人いるかな…！？Aはどんな感じなの？最近」

「仕事は普通にこなしてるし、あ、最近お腹が目立つようになってきてニコニコしてる」

「可愛いなにそれ。たしかに目立つようになってきたよね。赤ちゃんの物とか揃えた？」

「色々調べてなぜかヨシキと三人で買いに行った」

「ヨシキも！？なんで！？」

「買い物行くなら車出すよ〜って」

「優しい…」

「Aがめっちゃ感動してたね。ヨシキくんまじで！？って」

「普段Aは何かしら奢らされてるもんねヨシキに」

「第二の江口さんって呼ばれてるからね。ただヨシキは自分から車出すよって言ってくれたのにAが乗ったら「やべぇ…妊婦さん…緊張する」って言ってた」

「三人じゃなくてもう四人だもんね！そっかそっか。僕も行きたかったな」

「なにしに来んだよ」

「僕も一緒に赤ちゃんの服見るんだよ！」

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