梅 と 松【梅原裕一郎】

西山ルート ページ46

．
．

家の更新時期が近付いてきた。そろそろ引っ越そうと思って物件を見に行ったり調べたりしていたら、良い所が見つかった。

かつて審査が通ると思ったら通らなかったという事件が起こった某西山がいるから、その辺は詳しく聞いて絶対大丈夫と言われたので退去申請もして、安心しきっていた。

順調に進めば来月から物を運べるようになるらしい。
この時期に合わせて断捨離をしていたから持っていくものはそんなに無い。
しかも近場の引越しだから、全部終わってから知り合いには伝えようと思っていた。

休憩中、不動産会社の担当から電話が掛かってきた。審査の電話かもしれない。

『もしもし、松永です』
「あ、お世話になっております」

やっぱり担当さんだった。審査通ったかな！

「あの〜審査の件ですけども…」
『通りました？来月から住めますかね？』
「それが通らなくてですね…審査が」

耳を疑った。嘘でしょ、某西山と同じルート！？

「非常に申し訳ないんですけど…」
『あ…分かりました…また物件探します…はい、ありがとうございます…失礼致します……』

どうしよう！私来月から家が無い！とりあえず落ち着け私。まずは収録を無事に終わらせてから考えよう。

内心バクバクしながらも無事に収録は終わった。私の人生も。
どうしよう。こういうときどうすればいいんだろう。うめに話すか…今日は大人しく自分ん家に帰ろう。ヨシキくんとバイバイして帰宅した。玄関を開けたら電気がついていた。なんでだ？

『あ…思い出した。ただいま』
「おかえり。お疲れ」
『お疲れ様…ご飯ありがとう』
「久しぶりに料理した」

なんとなく料理がしたい気分、とうめが言ってたからそれなら私ん家に色々あるから使っていいよと話してたのを思い出した。

めちゃくちゃ美味しそうで、審査の話なんてすっかり忘れそうになった。けど普通に覚えてた！最悪！

『いただきます…ん！美味しい！』
「そう、良かった」
『毎日作って欲しいよ〜』
「絶対に無理だね」

今なら話せる！と思ってここで切り出してみた。

『あのさ、もう少ししたらここの部屋の更新時期が来るんだけどね』
「へえ。更新するんでしょ」
『ううん。引っ越そうと思って』
「どこに？」
『いや、それがさ、審査に……落ちまして…』
「は！？」
『で、もっと言うと退去申請もしてて…来月から住む場所が無くなります……』
「マジでか。はぁ…」

信じたくないけどマジなんです！あとなんでため息つくの……

同じシャンプー→←西山･松永とクリパ！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す