夏の夜 ページ21
.
.
『あっやば』
「どうした」
『歯ブラシない。捨てちゃった』
「はぁ?」
梅ちゃんが私の家に泊まりに来た。最近は私が彼の家に行くことが多かったから、あんまり使ってない歯ブラシを放置しとくのもなと思って捨ててしまったことを寝る直前に思い出した。
「なに、掃除に使ったの」
『ううん。シンプルに捨てた』
「せめてどっか掃除してから捨てろよ」
『ほんとごめん。買ってくるし歯磨き待ってて』
「は?今から行くの?」
『コンビニなら売ってるし。ちょっと待ってて』
「いやお前がちょっと待て」
財布を手に取って玄関に行こうとしたら手を掴んで止められた。私は歯ブラシを買いに行くんだ、あとアイスも食べたいから止めるんじゃない!
『止めないでくれ…!』
「アホか。今何時だと思ってんの、危ない」
『危ないのは梅ちゃんの歯だよ』
「そんなすぐ虫歯にはならない」
『もう〜すぐ帰ってきますので』
「俺も行く」
『え』
「柔らかめとか固めとかあるだろ」
『あ…うん…そうだね』
そういって財布を持って梅ちゃんも立ち上がった。あと私のスマホも持ってくれた。携帯持たずに行くなんて馬鹿だろと怒られた。彼なりに心配してくれてるんだと思う。
コンビニに着いて迷わず歯ブラシコーナーに行った梅ちゃんを置いて私はアイスコーナーに向かった。
どれにしようか悩んでたら後頭部を叩かれた。
『いてっ』
「お前が捨てたくせになにアイス見てんだ」
『どうしても食べたくなって…歯磨きするから許してください』
「そういう問題じゃない」
『梅ちゃんも食べようよ。半分こ出来るやつにしようか』
「ならこれだな」
食べるんかいって思ったけど一緒に食べた方が楽しい。サッと半分こ出来るでお馴染みのパピコと歯ブラシをレジに持って行って会計してくれた。
袋いいです、と言ってポケットに歯ブラシを入れてアイスを私に渡してきた。多分袋開けとけってことだろう。
「ありがとう」
『いやこっちこそありがとうだよ。お金半分こする。歯ブラシ捨てちゃったし』
「もう捨てなければ別にいい。ほら行くぞ」
『待って待って』
パピコは半分こ出来るから最高。カフェオレ味がいいよね。夏の夜はアイスが美味しく感じられる。
1256人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男性声優」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ばんそうこう(プロフ) - p@n@さん» なるほど…!ラジオで公表する前のお話だったのですね。返信ありがとうございます!引き続き応援しております! (2021年1月4日 0時) (レス) id: 61bb474ff8 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - ばんそうこうさん» コメントありがとうございます!ややこしてすみません。ラジオで発表したあとにTwitterで公表していますが彼はその放送前に知ったような流れです。近く修正しようと思います! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
ばんそうこう(プロフ) - 楽しく読ませていただいております!29ページのTwitterでたろりは二人が付き合っていることを把握している様子なのですが、31ページでは初めて知ったような描写がありますが…時系列について混乱してしまいました。読み落とし等ございましたら申し訳ございません! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 61bb474ff8 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - スーさん。さん» あ、あ、ありがとうございます……!とても嬉しいです。これからも頑張ります! (2020年8月2日 2時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
スーさん。(プロフ) - は、は、初めまして…!いつも楽しく読ませて頂いてます…!読む度に胸キュンが止まなくて、心臓何個あっても足んないです…(昇天) 更新頑張ってください!!楽しみ&応援してます!!! (2020年7月31日 1時) (レス) id: 1959e07ea8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:p@n@ | 作成日時:2020年7月25日 10時