梅 と 松【梅原裕一郎】

西山の憂鬱 ページ12

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こんにちは、たろりこと西山宏太朗です。
最近梅ちゃんの様子がおかしい、きっと何かあるはず！と思いつつラジオの収録をしています。

このイケメンは「何にもないけど」という顔をしていますが絶対に何かある顔をしています。

そこで僕は考えつきました。梅ちゃんは恋をしていると、そしてその相手は松永Aかもしれないということを！

江口さんにそれをやんわり話してみたら「え〜？梅ちゃんに限ってそれはなくない？なんか妹みたいな扱いしてるしさぁ。そんなことより明日飲み行かない？」と言っていました。もう既に飲んでいるのに。

Aとはオーディションで出会ってからずっと一緒にいて、なんなら高校入学から卒業、大学の入学式、成人式、卒業式も何故か僕も参戦したし、簡単に手放せる子じゃないのです。

好きだけど、そういう好きじゃないというか。かわいい妹みたいな扱いをしてるのは僕のほうですよ、江口さん。

収録終わり、梅ちゃんと一緒に帰っていたらAと遭遇しました。Aも仕事終わりっぽい。

『あ、お疲れ』
「お疲れ〜！Aいま帰りなの？」
『うん。帰りだよ。2人も？』
「うん！ひょろっと男子の収録だった」
『そうなんだ、じゃあまた現場で』
「お疲れ〜気を付けてね」
『うん、ありがとう』

Aが歩いていくのを見送った。

「…え！？梅ちゃん！？」
「なに？」
「なんでなにも喋んないの！？Aだよ！？分かってる！？」
「わかってるけど、別にわざわざ話す内容もないし」
「いやいやだとしてもじゃん！」

この男やってんな。なんでなにも喋んないのさ。
好きだから敢えてなのか？それともほんとに話す内容ないから！？だとしたら冷たすぎるでしょ！あ、でも梅ちゃんって普段からそういう感じだしな…

「梅ちゃんさ、Aのこと嫌い？」
「は？なんで」
「いや嫌いか聞いてんの！」
「別に嫌いではないけど」
「ならいい…よかった…」
「じゃあ帰るわ。お疲れ」
「あ、うん…お疲れ」

なんかどっと疲れちゃったよ。
分かんないなあ…梅ちゃんの感情。
でも二人が喋ってるときの梅ちゃんはめちゃくちゃ楽しそうだし、Aも嬉しそう。

他の人には見せない顔をお互い見せあってるっていうか。
なんか難しいな。

とにかく二人がくっつけばいいのに！と思っている西山宏太朗でした。

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