兄、現る ページ34
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インターホンが鳴った音で目が覚めた。最初は無視しようかと思ったけどAん家だし、何回もしつこめに鳴ってるから無視出来なかった。今日は午後からだからゆっくり眠れると思ったのに。Aは呑気に寝ている。
モニターを見たら男で、宅配便とかそういう感じの人じゃ無さそう。かといって同業者でもなさそう。てか知らない人だな。誰だよ。
「はい」
「えっ…松永Aの部屋で間違いないですか?」
「そうですけど。どなたですか」
「あの、兄なんですが…」
やばい。やったな俺。頭が混乱して無言になってしまった。お兄さんと思われる人(確実に兄だと思うけど)も混乱してた。テンパってロックを解除したら自動ドアが開いた。お兄さんもテンパりながら入ってった。ここからは時間の問題である。
まずはAを叩き起すところから始めなければ。
「おい、起きろ」
『…んん…まだ寝てていいの…』
「まじで起きろ。お兄さん来た」
『…お兄さん…え…!?』
「誰か分かんなくて普通にインターホン出たら、兄なんですがって」
『聞いてない…!嘘でしょ!』
「嘘じゃないって」
『ど、どうしよ、隠れなきゃダメじゃない!?』
「いやもうバレてるだろ。出ちゃったんだから」
俺以上にテンパるAはとりあえずちゃんと服を着ることから始めた。
『とりあえず隠せたよね。うん大丈夫、あっ!まだうめを隠してなかった!』
「もう隠せないでしょ。堂々としてるわ」
『大丈夫なのかなそれは』
「あ、来たよ」
『はああどうしよう!とりあえず出てくるね』
そそくさと玄関に行って、俺はリビングに取り残された。リビングと玄関を隔てる扉の向こうでは、お兄さんと声とAの声が聞こえる。だけど何を話してるかは聞こえなくて少しドキッとした。色々考えてたら扉が開いて、お兄さんとの初対面の時がきた。
『お、お兄ちゃん!こちらが彼氏の梅原裕一郎さんです!』
「初めまして、梅原裕一郎です。ご挨拶が遅れてしまってすみません。あとさっきは失礼しました」
『で!こちらが私のお兄ちゃんです』
『と、とりあえず座ろうか!ね!』
寝起きで乱れてる髪を整えながらキッチンに向かったAはコーヒーを入れてくれた。
『お、お待たせしました。コーヒーでございます…』
いやどこの店員だよ。Aも焦りすぎだろ。
普段なら「誰だよ」と言って軽く突っ込んでるのにそれが出来ないせいでAは滑ったみたいになってる。さて、お兄さんとどんな話をすればいいのか。
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ばんそうこう(プロフ) - p@n@さん» なるほど…!ラジオで公表する前のお話だったのですね。返信ありがとうございます!引き続き応援しております! (2021年1月4日 0時) (レス) id: 61bb474ff8 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - ばんそうこうさん» コメントありがとうございます!ややこしてすみません。ラジオで発表したあとにTwitterで公表していますが彼はその放送前に知ったような流れです。近く修正しようと思います! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
ばんそうこう(プロフ) - 楽しく読ませていただいております!29ページのTwitterでたろりは二人が付き合っていることを把握している様子なのですが、31ページでは初めて知ったような描写がありますが…時系列について混乱してしまいました。読み落とし等ございましたら申し訳ございません! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 61bb474ff8 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - スーさん。さん» あ、あ、ありがとうございます……!とても嬉しいです。これからも頑張ります! (2020年8月2日 2時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
スーさん。(プロフ) - は、は、初めまして…!いつも楽しく読ませて頂いてます…!読む度に胸キュンが止まなくて、心臓何個あっても足んないです…(昇天) 更新頑張ってください!!楽しみ&応援してます!!! (2020年7月31日 1時) (レス) id: 1959e07ea8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:p@n@ | 作成日時:2020年7月25日 10時