unexpected *１２９ ページ44
Aのいる個室の前には、一人だけ兵士がいる。
ーーと聞いていたが、どういう訳か姿が見えなかった。
リ「チッ、クソなら事前に済ませておけ……」
その内戻ってくるだろうと思い、ドアに向かって一声かけ、ノックをした。
リ「おい、A。俺だ」
返事は無かった。
気配はあるから、寝ているか、無視しているかのどちらかだろう。
リ「……入るぞ」
ドアを完全に閉め、部屋を見渡した。
小さな窓と、椅子にも台にもなるような高さの四足の机、その上には空の食器、そして薄い毛布が一枚あるだけのベッド。
毛布の膨らみから見て、Aはうつ伏せで蹲っているようだった。
リ「おい、……起きてるだろ」
静かな部屋だと、互いの息遣いがよく聞こえた。
Aのそれは、寝息だとは思えなかった。
あ「……」
リ「その様子だと、調子が悪いのは足だけじゃなさそうだな」
ベッド脇にある小さな机に腰を下ろす。
Aはまだ何も答えない。
リ「面会拒否だか知らねえが、何がそんなに気に入らねえんだ？現在の状況で、いつまでも引きこもっている訳にはいかないぞ」
あ「…………」
声は聞こえているようだったが、それでもAは返事をしない。
リ「……チッ。いい加減、何とか言ったらどうだ」
要領を得ない様子に腹が立ってきて、つい大きい舌打ちが出る。
俺がイラついているのが分かったのか、びくりとAが動いた。
あ「……………………あ、の」
リ「何だ、話せるじゃねえか」
あ「…………」
たっぷりと間を開けて、やっと話し始めたので、次の言葉は何か耳を傾ける。
しかし、またたっぷりと間が開き、静寂が訪れる。
ーーいや、沈黙ではあるが、静寂ではなかった。
徐々にAの息遣いが、荒くなっていることに気づく。
過呼吸とまではいっていないが、苦痛を耐えるような呼吸になっている。
リ「おい、どうした。熱でもあるのか？」
毛布をめくろうと立ち上がり、手を伸ばした。
瞬間、鋭い声が響く。
あ「ーー触らないで！！」
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柚音(プロフ) - サンゴさん» お返事遅くなってすみません！ありがとうございます！ゆっくりとですが完結まで書き終えられるように頑張ります！コメントありがとうございました！！ (2019年1月20日 3時) (
レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 続きめっちゃ気になりますっ！！ (2019年1月17日 22時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 話が深くて読んでいて面白いです！ (2018年11月19日 18時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - 赤間利衣さん» あけましておめでとうございます！閲覧頂きありがとうございます！更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - ちさきさん» あけましておめでとうございます！コメントありがとうございます、更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚音
| 作成日時：2014年5月20日 19時
