unexpected *１１６ ページ31
そのまま、あれよあれよと事は進んでーー。
気がつけば、強い潮風が吹き荒れる海面の上。
巨人がうようよいる大陸に追放されるのだと言う。
何故だろう。
確実に死に向かっているのに、不思議と、強い抵抗感が無かった。
自然死でも何でもない、処刑されるというのに。
今まで好き勝手私たちを虐げてきた奴らに、言いように殺されるというのに。
チ「……、」
あ「……チサ？」
もう喋ることも出来ないらしい。
チサは、化け物と呼ばれるに相応しいほど、崩れた人型になってしまった。
けれどその姿に特に何も感じなかった私も、既におかしいのかもしれない。
もう、全てが他人事のようだった。
不意に眠くなり、目を閉じる。
ーーこのまま、目なんて、覚めなくてもいいから。
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ーーそれが。
「キャアアアァアアァ！！！」
「だ、誰かっ、おい！船を早く出せ！」
「止めろッ！止めろ止めっ……あぁああ……！！」
どうして、こうなったの？
ぱちりと瞬きをしても、目の前の光景は変わらない。
目の前には何体かの巨人と、無様に泣き喚いて、奴らの口の中に収まっていく研究者共。
甲板で作業をしていた奴らが、一番最初の獲物になったようだった。
あ「…っ、」
ーーこの混乱の中なら、きっと、逃げ出せる？
チラリとそんな思考がよぎった。
けれど、チサの姿や、壊されていく船、もう見えなくなった島の影、ーーもう八方塞がりだと悟るのも、時間はかからなかった。
研究者を食べ終えて、とうとう私たちへと、伸ばされる手。
私たちの何倍も大きく、壁が迫ってくるようだった。
これで終わりだと、本当の、本当に、悟って、目を閉じた。
なのに一向に変化が起きない。
不思議に思って目を開けると、チサが、巨人の手中でもがいているのが目に入る。
そんな、と。
チサは私より後ろにいたのに、と。
何故、と。
頭で考えるより早く、叫んでいた。
あ「離せ！！！」
けれど、もちろん、その願い聞き届けてくれるはずも無く。
あっさりと、チサを食べた。
何も、出来なかった。
巨人の喉が上下して、チサを飲み込んだーーと同時に、次は私だと、身構えた。
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柚音(プロフ) - サンゴさん» お返事遅くなってすみません！ありがとうございます！ゆっくりとですが完結まで書き終えられるように頑張ります！コメントありがとうございました！！ (2019年1月20日 3時) (
レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 続きめっちゃ気になりますっ！！ (2019年1月17日 22時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 話が深くて読んでいて面白いです！ (2018年11月19日 18時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - 赤間利衣さん» あけましておめでとうございます！閲覧頂きありがとうございます！更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - ちさきさん» あけましておめでとうございます！コメントありがとうございます、更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚音
| 作成日時：2014年5月20日 19時
