unexpected *１０８ ページ22
あ「……っ！」
怖くなって、ベッドから飛び起きて、扉に向かった。
勢いよく扉を開けた。
ーーつもりだったのに、開かない、鍵がかかっている。
あ「え…？」
ガチャガチャと何度も何度もドアノブを捻る。
ドン、と体当たりをしても、ビクともしない扉。
なんで閉じ込められている？
ーーいや、そもそも、なんで、《ただの木の扉》が、私が体当たりしているのに、《ビクともしない》んだ？
すると、混乱している私の背後から、声がひとつ。
「何してるの…？お姉ちゃん…？」
あ「…っ！？」
そんな馬鹿な、と振り返るが、そこには確かに、妹がいた。
あ「…え、………あ、れ…？」
振り返って私は目を疑った。
さっき私が寝ていたはずの質素なベッドが、さらに小汚く、ボロボロなものになっている。
その上に血が滲む包帯に身を包んだ妹が座っていて。
木で出来ていたはずの部屋の床は、冷たさが一層感じられるセメントになっていて。
小さいながらもしっかりとした造りの枠が付いていて、明るい日差しが差し込んでいた窓は、さらに狭く小さな鉄格子になっていた。
足元には欠けた茶碗が二つ。
箸もスプーンもフォークもない。
ーー当たり前だ、手で食べるんだから。
あ「……そうだ」
ここは、あの研究所。
あ「……チサ、あの、これは」
チ「どうしちゃったの？…まだ時間じゃないから、そこは開かないよ？」
チサ。
ーー妹の名前だ。
そうだ、今思い出した。
あ「…ううん、そうじゃ、無くて、その」
チ「もしかしてトイレ？さっき飲んだ薬、もしかして利尿作用強いやつだったのかな」
あ「い、や、そうじゃなくて…。何でもないの、びっくりさせて、ごめんね」
チ「…？なら、いいけど…」
あ「あはは…ごめん」
ドアノブにかけていた手を外す。
ドアも、冷たい鉄製の、頑丈なものになっていた。
何でもない風を装って、チサの隣に腰掛ける。
ーーこれは、夢？
まだ覚めていなかったのだろうか。
それともーー。
チ「ね、お姉ちゃん。この包帯替えて欲しい…」
あ「そうだね、もうベチャベチャだから替えようか」
チ「新しいやつ、また貰ったから、替えてもらっても、いい？」
あ「いいよいいよ。気持ち悪いもんね」
慣れた手つきで包帯にを解いて、新しく巻く。
ーーそれとも、これが現実？
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柚音(プロフ) - サンゴさん» お返事遅くなってすみません！ありがとうございます！ゆっくりとですが完結まで書き終えられるように頑張ります！コメントありがとうございました！！ (2019年1月20日 3時) (
レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 続きめっちゃ気になりますっ！！ (2019年1月17日 22時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 話が深くて読んでいて面白いです！ (2018年11月19日 18時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - 赤間利衣さん» あけましておめでとうございます！閲覧頂きありがとうございます！更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - ちさきさん» あけましておめでとうございます！コメントありがとうございます、更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚音
| 作成日時：2014年5月20日 19時
