unexpected *１０６ ページ20
ほんの一瞬。
大きな衝撃に耐えて、ゆっくりと体を起こすーーが、瓦礫が大きすぎて、起き上がれない。
下の子供たちは小さな呻き声を上げているから、死んではいないだろう。
あ「……っああ！」
地面に肘までつけて体を支えていた右腕を思い切り振り上げ、瓦礫の山を吹っ飛ばす。
何本か釘のようなものが刺さったが、お陰で光が差し込むほどの穴が出来た。
そこからなんとか穴を広げて、脱出した。
子供たちは無事だった。
泣きじゃくる2人を宥めて、衣服の埃や小さな破片なども払った。
あ「…怖い思いさせてごめんね。あっちに大人がいるから、ここからは2人で行くんだよ」
腕に刺さっていた釘や木片を抜きながら子供にそう言って、また走り出す。
前を見ると、ーー女型が壁を登っていた。
その下でエレンが手を伸ばし、そこにミカサが乗ってーー跳んだ。
あ「…よかった、大丈夫そう」
その後の一部始終ーーミカサが奴の指を切り落とし、奴が壁から落ちたところを見届けて安心した。
それ以上奴を抵抗させなかったのか、特にまた大きな騒ぎにはなっていない様子を感じて、立ち止まる。
少し、疲れた。
膝に手をつき息を整え、自分の姿を見ると、隊服がまたボロボロになっていた。
あ「また新しく繕わなきゃ…」
言いながら、顔をあげた。
奴の指がめり込んで、ひび割れた壁が目に映る。
ーーえ？
見間違い、だろうか。
砂煙の間に見えたそれは、壁の、割れ目から、顔を覗かせていて。
あ「…………巨人？」
そんな馬鹿な。
私はもう老眼にでもなったのか？
でも、何度瞬きしても、目を擦っても、それはそこに居た。
あ「…っ報告！」
我に返って、壁の元にいるハンジたちに伝えなきゃと走り出した。
ーーべシャッ。
あ「…？」
一瞬何が起きたのかわからなかった。
あ「いてて…」
転倒したようだ。
早く起き上がれ！
あ「…え」
重い。
固い。
体が動かない。
あ「…ちょっ、…と。冗談…」
まるで水の中にいるような感覚。
内臓も何故か気持ち悪くて、頭も痛くなってきて、目眩が、視界が、真っ黒に。
ーーぷつり。
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『Aの実験が、もし成功していなかったら？』
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柚音(プロフ) - サンゴさん» お返事遅くなってすみません！ありがとうございます！ゆっくりとですが完結まで書き終えられるように頑張ります！コメントありがとうございました！！ (2019年1月20日 3時) (
レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 続きめっちゃ気になりますっ！！ (2019年1月17日 22時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 話が深くて読んでいて面白いです！ (2018年11月19日 18時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - 赤間利衣さん» あけましておめでとうございます！閲覧頂きありがとうございます！更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - ちさきさん» あけましておめでとうございます！コメントありがとうございます、更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚音
| 作成日時：2014年5月20日 19時
