unexpected *１０１ ページ15
作戦のシミュレーションとか、陣形の確認とか、二重三重にも渡る対処法とか。
来たるべきその日まで、私たちは精一杯、この作戦が成功するように頑張ってきた。
それでも、残念なことにやっぱりリヴァイさんの怪我は完治に至らなかった。
作戦はリヴァイさん抜きでやるそうだ。
なんとなく不安で、でもそれが、どことなく心地よかった。
不謹慎かもしれないけれど、この作戦の成功を思えば、リスクは高くなってもへっちゃらだった。
ーー私は。
あ「エレン」
エレ「……」
あ「エレン…」
エレ「……」
あ「エレンってば！！」
エレ「うえっ！？あ、あぁ、悪い、Aか。何だ？」
エレンの調子は、全く持って危ういものだった。
いつも考え込んでる感じで、常に眉間にしわが寄っていて。
そんなんじゃリヴァイさんみたいになっちゃう、とか失礼なことを考えつつ、私は心配で仕方なかった。
あ「…作戦、また練り直しだって。行こう」
エレ「…おう」
それだけ言って、後はお互い無言で部屋に向かう。
それがとても湿っぽくて、つまらなくて、やるせなくて、悲しかった。
あ「…ねえエレン」
エレン「ん？」
だから、つい、余計なことを口走ってしまった。
あ「私、女型の巨人のこと、人間と思ってないよ」
エレ「な、何だよ、急に」
あ「ましてや、エレン達の同期だからとか、何とも思ってない」
エレ「！！…それは、まだ分からないって言ってるだろ！」
あ「そんなのどうでもいい！私達は今、女型の巨人と戦ってるんだよ！？仲間とか同期とか、大切だけど、気になるの分かるけど…」
すっと息を吸って、思い切り言った。
あ「あいつは、私達からみんな奪っていったんだよ！？班のみんなも、リヴァイさんの足も、私達のちっさい幸せも！！
なのにエレンは、何をそんなに迷ってるの！！」
エレ「っ！」
エレンが固まったのがすぐ分かった。
けれど、ああ、もう。
思い出させないでよ。
言葉にしたのは自分のせいだけど、そのせいで、蓋をしたはずの感情が、光景が、一気に溢れ出す。
あ「もう…もうみんな居ないんだからさ…。リヴァイさんにだって甘えられない。私達が、やらなきゃいけないんだから…」
無惨に殺されていったみんなの無念を、私達は背負って、戦わなければ、いけないんだから。
ーーだから。
あ「腹、くくってよね」
それだけ言って、固まってるエレンを置いて早足で部屋に向かった。
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柚音(プロフ) - サンゴさん» お返事遅くなってすみません！ありがとうございます！ゆっくりとですが完結まで書き終えられるように頑張ります！コメントありがとうございました！！ (2019年1月20日 3時) (
レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 続きめっちゃ気になりますっ！！ (2019年1月17日 22時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
サンゴ - 話が深くて読んでいて面白いです！ (2018年11月19日 18時) (レス) id: f7865afa83 (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - 赤間利衣さん» あけましておめでとうございます！閲覧頂きありがとうございます！更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
柚音(プロフ) - ちさきさん» あけましておめでとうございます！コメントありがとうございます、更新頑張ります！ (2018年1月2日 1時) (レス) id: ba4520d13c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚音
| 作成日時：2014年5月20日 19時
