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キララSide
「キララー！一緒に弁当食べよ？」
「ん、おけおけ。あ、ほらほら見てよー。
今日の私の弁当、めっちゃ映えない？」
「おー、良いじゃん。投稿しとけば？」
「あ、そうしとく」
友人の声に押されて、ついついネットに弁当の写真を投稿する。
その投稿というのは、『いいね』や『コメント』がつけばつくほど、
フォローしてくれる人が増えやすい。
だから、なるべく人気の出るようなものをみんな載せる。
私も例外ではなく、週に三回は投稿しているほど、はまっている。
最初の人気は全然だったが、最近では人気がそこそこ上がり、毎日ワクワク気分。
周りから誉めてもらうことは嬉しいし、励みにもなる。
「キララって好きな人とかいんの？」
弁当をつついているとき、唐突な言葉にドキリとする。
「ど、どうしたの、急に」
「深い意味はないよ？ただ単に気になっただけ。で、いんの？」
「……いないよぉ。私にはシロミちゃんだけだしー？」
「あんたホントに好きだね、シロミちゃん」
シロミちゃんというのは、もちろん実在しない人物。
アニメのキャラで、人気アイドル。
ピチピチの18歳で、
さらさらの黒髪に、ちょっと黒いピンクのメッシュが入っているのがチャームポイント。
男子だけじゃなく、女子からの人気も高い。
性格も顔も良し。
これで好きにならない方がおかしい。
私もシロミちゃんに憧れて、メッシュを入れた。
スクールバックには、シロミちゃんのマスコットキーホルダーを欠かさず持っている。
校則違反のリボンカチューシャとチョーカーをつけているのも、
濃いめの量産型メイクをして、シロミちゃんに似せているのも、
私服はひかえめなロリータ服を着ているのも、
全部シロミちゃんの影響なのだ！
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作者名：なかも | 作成日時：2021年2月7日 16時
