【番外編】※リクエスト作品 ページ1
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基本的に人と接するのが苦手なのは変わらないけれど、相良くんと再会してから確実に変わったことがある。
それはわたしを友達と呼び、友達と呼べる人ができたこと。
理子ちゃんに伊藤くんに三橋くん、あとは佐川くんやそのお友達。
「…あ、片桐さんっ」
「ん?…あぁ、お前か」
それから、相良くんと同じ開久高校でトップに立っているという片桐さん。
片桐さんに関しては友達というカテゴリではない気がするけれど、一度お弁当を届けに行ったときに顔を合わせて以来、相良くんといるときやそうではない時も偶然会ったときは気にかけてもらえるようになっていた。
多分それは相良くんの彼女だということが大きいのだろうけれど、こうして顔を合わせることがあれば嫌な顔もせずに会話をしてくれる。
一度しか会ったことが無かったのに次に話したときにはもう名前を覚えられていて、なおかつ当たり前のように苗字ではなく名前を呼ばれたときには少し驚いたけれど。
「相良はどうした?」
「あの、相良くん今日は外せない用があるって言ってて、」
「…あぁ、そういうことか」
何かを理解したらしい片桐さんは少しだけ眉を顰めたものの、それからわたしに視線を移したかと思うと思ってもみなかった言葉を口にした。
「送ってやる」
「……え?」
「いつもは相良がやってんだろうが、今日は居ねぇみてーだから送ってやる」
まさかの申し出に理解するまでに時間がかかってしまって、元々わたしの答えなんて聞くつもりはなかったのか言うだけ言って歩き出してしまったその背中を慌てて追いかけた。
確かに今まで1人きりで片桐さんに会うことは無かったけれど、まさかこんなことをさせてしまうなんてと焦る。
「あ、あの、片桐さんも帰るところだったんじゃ…!そ、それに送ってもらうなんて、あの、申し訳ないですっ」
「帰るだけだったから送ってやるんだよ。気にすんな」
気にするなと言われても気にしてしまうのがわたしだし、何よりも片桐さんのことは三橋くんや伊藤くん、それに相良くんからも聞いていて。
その屈強な体格通りの強さで曲者揃いの開久を纏めるトップで、その名前を聞けば誰もが震え上がると言われてる人だと聞いていたからこそ、まさかの展開に焦るわけで。
でもそんなわたしを他所に、特別何か話すわけでもなく歩く片桐さんにそれ以上何も言えなくて、黙ってその後ろを歩く。
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蓮(プロフ) - お久しぶりです!もうすぐ劇場版の公開ですね。また更新されるの楽しみに待ってます!!! (2020年7月16日 23時) (レス) id: e90feb906e (このIDを非表示/違反報告)
なゆ - 1~3までぶっ通しで読みましたでございます(?)めちゃめちゃ続き気になります………映画公開まもなくですね、、!!!更新待ってます!!!! (2020年7月15日 6時) (レス) id: 5f56a1975b (このIDを非表示/違反報告)
ぽん酢(プロフ) - えりかさん» コメントありがとうございます!中々進まない中、続きをお待ちいただけていること大変嬉しく感じております(;_;)忙しさからなかなか執筆活動を進めるのが難しく、お盆休みに更新予定なのでお待ちいただければと思います!すみません(><) (2019年8月8日 22時) (レス) id: a7697987bc (このIDを非表示/違反報告)
ぽん酢(プロフ) - いっちーさん» コメントありがとうございます!少し仕事のほうが忙しく、お盆休みに入ったら執筆進めれるかと思いますのでしばしお待ち頂ければと思います(;_;)すみません、、、、! (2019年8月8日 22時) (レス) id: a7697987bc (このIDを非表示/違反報告)
えりか(プロフ) - 続きが気になってしまってます! (2019年8月8日 20時) (レス) id: fcdce8f117 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽん酢 | 作成日時:2019年6月22日 21時