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「…おい」

「は、はいっ」

「送ってやるとは言ったが、道は知らねぇんだ。後ろじゃなくて横 歩け」

「あ、は、はい!」



すみません、そう言ってからおずおずと片桐さんの横に並ぶようにして歩き出す。

ただ横を歩いているだけだと言うのに、その大きな体が目立つからなのかそれとも纏う雰囲気なのか、相良くんとは違った存在感に心がソワソワして落ち着かない。

それに心做しかいつも以上に感じる視線、それなのに自分達の周りには人がいない、というか避けて通られているような気がしてチラッと周りに視線を巡らせる。



「相良とはうまくやってるみたいだな」

「え…!あ、はい、なんとかっ」

「最近じゃ、お前の弁当があるからって飯を買いに誘っても来やしねぇぜ」

「そ、それは、あの…すみません」

「あぁ、いや 文句を言ってるわけじゃねぇ。いいことじゃねぇか」



フッと軽く笑った片桐さんに少しだけ驚いて、それからお弁当を食べる相良くんを想像して、素直にその言葉に喜ぶことにした。

特にお弁当の善し悪しについて言われたことは無かったけど、残さず食べられた空のお弁当箱を洗うのが小さな楽しみであり幸せな時間だったから、片桐さんが教えてくれた知らなかった相良くんの姿が嬉しかった。

他で売られている美味しい食べ物ではなく、自分が作ったお弁当でちゃんと満足してもらえてるんだということに口元が緩むのがわかる。




「そんな風に笑われちゃ、食わねーわけにはいかねぇな」

「…えっ、」



ポンポンと頭を撫でたその大きな手は相良くんのものとは違ったけれど、いつもとは違う柔らかな表情で笑った片桐さんにじわっと胸のあたりが温かくなって、思わず抑えていた笑みがこぼれてしまった。

でも、そんなわたしを突然後ろへと引いた強い力に驚いてその力の先へと視線を巡らせればそこには相良くんがいて。



「…おい智司、何してんだテメェ」

「相良か」

「聞こえなかったか?何してんだって聞いてんだよ」

「っ、さ、相良くん…ちがうの、片桐さんは、」

「俺ァ 智司に聞いてんだ。黙ってろ」



鋭く睨まれ、掴まれた腕の力が強くなったことにビクリと体を震わせ口を噤んだわたしを片桐さんが見て、それから少し眉を顰めながら相良くんに向き直る。


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(プロフ) - お久しぶりです!もうすぐ劇場版の公開ですね。また更新されるの楽しみに待ってます!!! (2020年7月16日 23時) (レス) id: e90feb906e (このIDを非表示/違反報告)
なゆ - 1~3までぶっ通しで読みましたでございます(?)めちゃめちゃ続き気になります………映画公開まもなくですね、、!!!更新待ってます!!!! (2020年7月15日 6時) (レス) id: 5f56a1975b (このIDを非表示/違反報告)
ぽん酢(プロフ) - えりかさん» コメントありがとうございます!中々進まない中、続きをお待ちいただけていること大変嬉しく感じております(;_;)忙しさからなかなか執筆活動を進めるのが難しく、お盆休みに更新予定なのでお待ちいただければと思います!すみません(><) (2019年8月8日 22時) (レス) id: a7697987bc (このIDを非表示/違反報告)
ぽん酢(プロフ) - いっちーさん» コメントありがとうございます!少し仕事のほうが忙しく、お盆休みに入ったら執筆進めれるかと思いますのでしばしお待ち頂ければと思います(;_;)すみません、、、、! (2019年8月8日 22時) (レス) id: a7697987bc (このIDを非表示/違反報告)
えりか(プロフ) - 続きが気になってしまってます! (2019年8月8日 20時) (レス) id: fcdce8f117 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽん酢 | 作成日時:2019年6月22日 21時

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