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…【366】 ページ23

裕太が家に戻ってきて数日…

「裕太の薬取りに行ってくるね。」

これも我が家のいつもの光景。

「田代先生…?」
定期健診以外の時は田代先生の所で裕太の薬を処方してもらう。

「うん、そうだよ。裕太も行く?」

「具合悪くないもん…。」
当分、“病院”はこりごりなのかな?

だいぶ体調の安定してきた裕太は、嘘みたいに発作の回数が減った。

熱を出した時も発作は起こさなかった。

“病は気から”
って言葉も満更ウソではないみたい…。

「もう少し暖かくなったら、また【おひさまハウス】に行こうね。」

「裕太、昼寝するか?それとも勉強?」
お手伝い継続中の宏光。
お昼ご飯の後は、いつもこんな感じ…。

寒い日が続いて【おひさまハウス】に行かれない裕太に勉強を教えていることが多くなった。

「んー…?」

「昼寝は宏がしたいんでしょ?」

裕太は昼寝しちゃうと夜、寝付きが悪くなるから、出来れば勉強して適度に疲れさせてほしいな…。

「やべっ…バレた?」
バレバレです。

「ミツ兄…新しいドリルやりたい。」

「那月くんが持ってきてくれたやつ?」
就活を始めた那月くんも時間のある時は顔を出してくれる。

「うん。」
昨日も裕太の為に新しいドリルを持ってきてくれた。

「よし、じゃあ部屋行くぞ。」

裕太の部屋へと向かう2人。

「翔馬くん部屋で仕事してるから、何かあったら呼んでね。」
その後ろ姿に声を掛ける。

「りょーかい。任せなさい。」
さすが頼りになる我が家の長男。


「お兄ちゃん、出かけてくるね。」

自室で仕事をしている翔馬くんに声を掛ける。

書類からは目を離さず、片手を上げて“いってらっしゃい”の代わり。

翔馬くんらしい、お見送り。

「そうだ。ついでに…」

外出ついでにどうしても行きたい所があった。

「いいぞ、行って来い。」

「まだ最後まで言ってないよ。」

「お前の言いたいことは、だいたいわかる。何年お前の兄貴やってんだ?」

「20年くらい?」
七村の養子になって、ちょうど20年が経った。

「正解!」
子供みたいに笑う翔馬くん。
初めて会った時と変わらない笑顔。

「たまには息抜きしてこい。裕太も安定してるだろ?」

「うん、ありがとう。お兄ちゃん。」

豪快で大雑把…

大きな体に大きな声。

大きな心と深い愛情。

いつも頼りになる【虹の家】の施設長は私の自慢の兄。

「行ってきまーす。」

七村の家に来て、両親や兄に少しでも近づくことが出来たかな?

時々、そんなことを思うんだ…。

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , キスマイ , 絆、家族   
作品ジャンル:その他
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作者名:浅緋 | 作成日時:2015年12月5日 23時

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