…【10】 ページ10
*Side Kento*
「痛っ…」
まだヒリヒリする。あの日、タバコの火を押し付けられたところ。
お風呂に入るとまだ沁みる。
「健永、健永!」
“ビクッ”
「は、はい…」
「なんだよ、風呂か。」
「ごめんなさい。すぐに出るから。」
「いや、いい。今日は一緒に入ろうぜ。」
あ…。
ヤバイ。
そう思った時はもう手遅れだった。
「今日は息止めゲームしような。」
「……っ!!」
浴槽に顔を押し付けられる。
息が出来なくて、苦しくて…。
時々、俺の顔を持ち上げて、意識があるか確認する。
「ゴホッ…ゴホッ…も…やめ…て…」
「うっせー!黙ってろ!!」
誰か…助けて…早く…。
次に気が付いた時、俺は病院にいた。
「ここどこ?お母さんは?」
そこにお母さんはいなくて、代わりにいたのは児童ナントカの人。
その人は俺に「しばらくは家に帰れない」と言った。
その本当の意味を理解出来ないまま、【虹の家】に連れて来られた。
ここはどんな所?
どうして俺はここに連れて来られたの?
「あ、あの…」
咄嗟に声を出してみたけど、何からどうやって聞いたらいいのか、わからなかった。
「荷物片付けたら、また下に来て。この家の細かい決まりはまた下で話すね。」
ここに持ってきたのは小さいカバンたった1個。
着替えが少し入っているだけの小さいカバン。
荷物…このままでいいよね?
だって、お母さんが迎えに来たらすぐに帰るから。
ベッドの上にカバンを置いて、部屋を出た。
*−*−*−*−*
「健永、早かったね。もう終わったの?」
さっきまでいた食堂に戻るとAって人と裕太くんがいた。
「はい。」
「ここに座って。」
言われた通りに二人と向かい合って座る。
「じゃあ、この家の決まりを説明するね。」
最初に言われたのは門限と食事の時間。
ここはちゃんと時間が決まっているのだと教えてくれた。
「あとは書いてあるよ…。」
裕太くんが指差した方を見ると壁に大きく貼り紙があった。
【虹の家の約束】
1.時間を守る
2.ケンカをしない
3.ウソはつかない
4.言いたいことはきちんと伝える
5.自分や他人を傷付けない
5番はよくわからなかった。
自分を傷付けないって、どういう意味?
「その他の細かいことは兄組が帰って来たら聞くといいよ。さぁ、出かけようか。」
ぼんやりと壁を眺めているとAがそう言って立ち上がった。
「一緒に行こ…」
「う、うん。」
どこに行くのか不安だったけど、裕太くんが一緒なら大丈夫だよね…?
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浅緋(プロフ) - コロロさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2015年12月6日 9時) (レス) id: 8150003928 (このIDを非表示/違反報告)
コロロ(プロフ) - 始めまして!すっごい面白いです!玉ちゃんはかんもく症も持ってるんですね…。実は私もかんもく症で学校で喋れないのでとても共感出来ます。これからも頑張ってください♪ (2015年12月6日 9時) (レス) id: 61a1863fd9 (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - 璃子さん» コメントありがとうございます。みっくんの過去はもう少し後になりますが、必ず出ます。待っていて下さい。これからも頑張るので宜しくお願いします。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - いつも読んでます!みっくんの過去編みたいです!これからも頑張ってください。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 17fec4b2db (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - あやのすけさん» コメントありがとうございます。裕太くんの過去楽しみにしてて下さい。パート2では、必ず書きます(о´∀`о) (2015年3月14日 1時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:浅緋 | 作成日時:2015年2月8日 0時