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…【46】 ページ46

「ただいまー!」
玄関に響く高嗣の元気な声。

あれ?高嗣だけってことはないよね?
心配になって玄関に向かう。

「おかえり。…健永もいる…よね。」

「いるよ!ちゃんと一緒に帰って来たし。」
うん、見ればわかるよ。
そうじゃなくて…。

「健永、おかえり。」
じっと健永に視線を合わせる。

「帰って来たら、“ただいま”だろ?ここは家なんだから。」
不思議そうにこちらを見つめる健永に高嗣が言う。

「あ、そっか…。ただいま。」

「うん、おかえり。」
当たり前のことなんだけど、それが出来ない子もいるんだよね。

“出来ない”と言うか、
“そうすることを知らない”
って言った方がいいのかもしれない。


「ねぇ!ちゃんとランドセル拭いたよ?あがってもいい?」

「はい、どうぞ。」
真っ先に部屋に上がるかと思ったら、食堂に入って行った。

「Aー!プリントここに置くよ。」
え?そういう事?

「あ、ありがとう。」
高嗣も急成長中…なのかな?

「あ、あとね、先生が“家庭訪問は千賀君も一緒です”って言ってたから。一応、そこに書いてあるってさ。」
ちょっと得意気な高嗣の顔。
このままいい状態が続いてくれるといいんだけどね…。

「はい、了解。あとで確認するね。じゃあ、このままオヤツにしよう。裕太、そこ片付けて。」
テーブルでドリルをしていた裕太に声を掛ける。
紫月から宿題も出してもらったみたい。

「裕兄、今日おひさま行ったの?」

「うん…行った。」

「楽しかった?」

「(うん…)」
あらら…
また、だんまりになっちゃった。
裕太の急成長は一進一退。


「健永は?学校どうだった?」
そうそう肝心なこと聞かないと。

「高嗣と同じクラスだった。だから、大丈夫。」
だから、大丈夫?

「大丈夫?なんかこまっ…」

「そうそう!俺ら同じクラスなんだよ!!翔馬くんが校長先生に頼んでくれたんでしょ?」

「高嗣…。今、健永にお話し聞いてるんだけど…」

「ごめん…。」
高嗣の急成長も一進一退。

「健永、なんか困ったことあったの?」

「ちょっと嫌な事言われたけど、大丈夫だよ。」

「アイツら健永にも言ったんだよ!俺ね、ケンカしないって約束したから、健永にも教えてあげたの!…あ、やべっ」

「今のはいいんだよ。」

「へへ。」
高嗣のクラスにいる家庭に問題がある子。
その鬱憤を学校で晴らしているようだった。

悔しい思いもしてると思うよ。
だけど、自分なりに考えてるんだ。
高嗣も少しずつ成長してるね。

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浅緋(プロフ) - コロロさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2015年12月6日 9時) (レス) id: 8150003928 (このIDを非表示/違反報告)
コロロ(プロフ) - 始めまして!すっごい面白いです!玉ちゃんはかんもく症も持ってるんですね…。実は私もかんもく症で学校で喋れないのでとても共感出来ます。これからも頑張ってください♪ (2015年12月6日 9時) (レス) id: 61a1863fd9 (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - 璃子さん» コメントありがとうございます。みっくんの過去はもう少し後になりますが、必ず出ます。待っていて下さい。これからも頑張るので宜しくお願いします。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - いつも読んでます!みっくんの過去編みたいです!これからも頑張ってください。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 17fec4b2db (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - あやのすけさん» コメントありがとうございます。裕太くんの過去楽しみにしてて下さい。パート2では、必ず書きます(о´∀`о) (2015年3月14日 1時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:浅緋 | 作成日時:2015年2月8日 0時

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