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…【43】 ページ43

*Side Yuta*


みんなバタバタと出て行っちゃった。
なんか寂しい…。

僕もみんなと一緒に翔馬くんの車で学校に行ってるはずなのに…。

“うわぁっ!!きったね!”

“こっちくんなよ!”


「裕太、今日は何する?」
あの時のことを思い出しそうになったけど、Aが声を掛けてくれたから大丈夫だった。


今日は天気が悪くなるから、ダメって言われるかもしれないけど…

「おひさまハウス。行きたいな。」
だって、僕にとってはおひさまハウスが学校だから。

「午後からは雨が降るみたいだから、午前中だけになっちゃうけどいい?」
僕を部屋まで連れて来てくれたAにそう言われた。

「うん…。」

「じゃあ、あっちで待ってるから。たまには一人で食堂まで来てみて。」
そう言ってAが指差したのは、僕の車いす。
いつもは誰かが押してくれるけど、手元のレバーで操作できるようになってるんだ。

小さく頷いた僕を見て、Aは部屋を出て行った。

最初はなんでこんなの使わなきゃいけないの?
って思ったけど、僕の心臓は僕の体が大きくなるにつれて、負担が掛かるんだって。


「学校…」
壁に掛けられた真新しい制服。
俊くんと同じやつ。
一回も着たことない…。

今は車いすが必要だし、今はもう普通の学校に行きたいって思わなくなった。

なんか、怖い…。

「早くしなきゃ…。」
急いで、カバンに荷物を詰めて、言われたように一人で車いすを操作して、Aの待つ食堂に向かった。

「準備出来た?じゃあ、行こうか。」

Aの車の助手席は僕の特等席。

みんなで乗れる翔馬くんの大きな車も好きだけど、いつも乗ってるAの小さい車も好き。

「今日は何の勉強するの?」
運転しながら、Aは訊く。
Aはいつも僕の言葉が出るのを待ってくれる。

「んーとね…ヒミツ。」
だから、僕も相手がAだと、安心してお話し出来るのかもしれない…。

「えーなにそれ?裕太、ひどいなぁ。」

「でも、ヒミツなの…。」

「おひさまに着いたら、ちゃんと紫月には言えるかな?」

「言えるもん…。たぶん。」
紫月先生になら、きっと言えるもん。


.

おひさまハウスに着くと紫月先生が待っていてくれた。
今日は僕の他には誰も来てないみたい。

「紫月せんせ…」

「なぁに?」

「今日は…これ、やる…。」

「うん、いいよ。じゃあやろっか。」

何となく紫月先生はAと雰囲気が似てる。
もっとたくさんお話し出来るといいな…。

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浅緋(プロフ) - コロロさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2015年12月6日 9時) (レス) id: 8150003928 (このIDを非表示/違反報告)
コロロ(プロフ) - 始めまして!すっごい面白いです!玉ちゃんはかんもく症も持ってるんですね…。実は私もかんもく症で学校で喋れないのでとても共感出来ます。これからも頑張ってください♪ (2015年12月6日 9時) (レス) id: 61a1863fd9 (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - 璃子さん» コメントありがとうございます。みっくんの過去はもう少し後になりますが、必ず出ます。待っていて下さい。これからも頑張るので宜しくお願いします。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - いつも読んでます!みっくんの過去編みたいです!これからも頑張ってください。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 17fec4b2db (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - あやのすけさん» コメントありがとうございます。裕太くんの過去楽しみにしてて下さい。パート2では、必ず書きます(о´∀`о) (2015年3月14日 1時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:浅緋 | 作成日時:2015年2月8日 0時

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