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“雨降って地固まる”
なんてよく言ったものだ。
きっと我が家(私は普段、【虹の家】の事を“我が家”って言ってる)にはピッタリの言葉だと思う。
ケンカしたりもするけど、かえってそれで絆が深まるというか…。
結果的には安定している状態になっているのも事実。
♪〜お風呂が沸きました〜
「風呂沸いたぞー。今日は誰から?」
宏光が声を掛ける。
いつもならさっさと決めて入るのに、ここ数日は結構慎重になってるな。
「なぁ、健永、今日は一緒に風呂入ろー。」
最初に口を開いたのは高嗣。自分から健永を誘った。
「いいの?」
「うん!いいよ!」
「6年生コンビは決まりな。じゃ入って来な。」
「「はーい!!」」
この二人、よくハモるな…。
キャッキャッ言いながら、バタバタと階段を駆け上がって行った。
背丈が同じ位で双子みたい。
「ね、ミツ兄…。」
次に口を開いたのは裕太。
健永が来てから少しずつ自分から言葉を発するようになった。
「おっ、裕太どうした?」
「今日、は…、俊くん…。」
「じゃあ、自分で俊に言ってみな。“一緒に入ろ”って。」
そう言って自分から俊哉を誘うように裕太を促す宏光。
『裕太、ちゃんとお名前言ってごらん。“たまもりゆうたです”って。』
家の中では話すことが出来ても幼稚園や他の所では全く言葉を発さなかった裕太。
まだ裕太が小さかった頃、宏光はよくそんな事を言ってたっけ。
「俊くん…一緒に入ろ…」
「うん!じゃあ、今日は俺らが2番ね。」
「裕太、良かったねー。」
「うん^^」
ニコニコのいい顔だ。
「って、ことは俺と渉ね。」
「そーだね。あ、太輔、俊哉と裕太の次に入っていいよ。」
「あ、あのさ…」
「なに?」
「俺…今日は二人と入ろうかな…」
太輔、今何て…?
「無理すんなって。」
宏光がそう言うのもわかる。
「無理じゃない…。ミツと渉なら…何となく大丈夫な気がする…。」
太輔も少しずつ変わろうとしてるのかも…。
「太輔が大丈夫って言うんならやってみれば?」
「まーそれもそうだな。じゃあ、ダメだと思ったらすぐに言えよ!俺、鈍感だから。」
「わかった。」
宏光と渉なら大丈夫だよね。
それは太輔が二人を信頼している証拠。
弟組にはカッコ悪い所、見られたくないのかもね。
でもさ、高校生3人でお風呂って狭くない?
家のお風呂は数人で入れるように広めに設計してあるけど…。
“雨降って地固まる”
やっぱり我が家にはピッタリの言葉。
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浅緋(プロフ) - コロロさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2015年12月6日 9時) (レス) id: 8150003928 (このIDを非表示/違反報告)
コロロ(プロフ) - 始めまして!すっごい面白いです!玉ちゃんはかんもく症も持ってるんですね…。実は私もかんもく症で学校で喋れないのでとても共感出来ます。これからも頑張ってください♪ (2015年12月6日 9時) (レス) id: 61a1863fd9 (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - 璃子さん» コメントありがとうございます。みっくんの過去はもう少し後になりますが、必ず出ます。待っていて下さい。これからも頑張るので宜しくお願いします。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - いつも読んでます!みっくんの過去編みたいです!これからも頑張ってください。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 17fec4b2db (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - あやのすけさん» コメントありがとうございます。裕太くんの過去楽しみにしてて下さい。パート2では、必ず書きます(о´∀`о) (2015年3月14日 1時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:浅緋 | 作成日時:2015年2月8日 0時