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…【4】 ページ4

*Side Toshiya*

「ふぁーあ…」

うぅ…眠い。

あくびをしながら、ペタペタと廊下を進む。
1階の突き当りの部屋が俺の目的地。

早起きは苦手。本当はミツ兄や高嗣みたいにギリギリまで寝ていたいけど…。

俺が苦手な早起きを頑張る理由。

それは…

「裕太、起きて。朝だよ。」
この子の為。

「…としく…?」

「おはよ。苦しくない?大丈夫?」

(うん。)
俺の問いかけに小さく頷いて答える。

「そか。じゃあ、熱計ろう。」
俺の差し出した体温計を受け取って素直に脇に挟む。

この子の名前は玉森裕太。中学1年生。
あ、学校に通っていれば…の話だけどね。

裕太は生まれつき心臓に大きな問題があって、他の子みたいに走ったり、学校に行ったり出来ないんだって。

俺がここに来た時はもう学校には通えてなかったよ。

あまり外に出られないせいか、色白で細くて、実年齢よりも幼く見えるんだ。


“pipipi”
体温を計り終わった事を知らせる音が鳴る。

「どれ?見せて。」
裕太から体温計を受け取ってディスプレイを確認する。

「平熱だね。どうする?みんなと朝ごはん食べる?」

(うん。)

「まだ肌寒いから、これ着て…。」
俺の問いかけに小さく頷いた裕太に黄色いパーカーを渡す。

これは裕太のお気に入りのパーカー。
てか、みんな色違いで同じパーカー持ってるんですよ!

どこぞのAさんが色違いで買ってくれたんだ。

裕太がパーカーを着ているうちにベッドの横に車いすを出す。

あまり心臓に負担を掛けないように、数か月前から裕太は車いすを使うようになった。

すごく人見知りで無口だけど、俺は裕太のことが大好きなの。

だって、裕太は一生懸命、生きてるから。
ここに来て、裕太と出会って、俺は一生懸命生きてる裕太に救われたんだ…。


「…あ…。」

「どうしたの?大丈夫?」

「…青…。」
ゆっくりとベッドから立ち上がった裕太がぽつりと呟いた。

「青?青がどうかした?」

裕太はフルフルと首を振ってそれ以上は何も言わなかった。

「よし、押すよ。」
ゆっくりと裕太の車いすを押して部屋を出る。

青ってなんだろう…?

俺の疑問は思いのほか、早く解決することになる。

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浅緋(プロフ) - コロロさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2015年12月6日 9時) (レス) id: 8150003928 (このIDを非表示/違反報告)
コロロ(プロフ) - 始めまして!すっごい面白いです!玉ちゃんはかんもく症も持ってるんですね…。実は私もかんもく症で学校で喋れないのでとても共感出来ます。これからも頑張ってください♪ (2015年12月6日 9時) (レス) id: 61a1863fd9 (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - 璃子さん» コメントありがとうございます。みっくんの過去はもう少し後になりますが、必ず出ます。待っていて下さい。これからも頑張るので宜しくお願いします。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - いつも読んでます!みっくんの過去編みたいです!これからも頑張ってください。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 17fec4b2db (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - あやのすけさん» コメントありがとうございます。裕太くんの過去楽しみにしてて下さい。パート2では、必ず書きます(о´∀`о) (2015年3月14日 1時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:浅緋 | 作成日時:2015年2月8日 0時

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