…【28】 ページ28
*Side Taisuke*
「もう洗うものない?高嗣、コップは?」
「んーもうちょっと使う。」
今日は日曜日。
俺と渉が昼食の片付け当番。
3日前の朝、ここに来た健永。
俊哉や裕太とは仲良くしてるみたい。
まぁ、俺らとしては高嗣と仲良くしてもらいたんだけど…。
その高嗣がなんだか、健永には心を閉ざしちゃってる感じなんだよな。
「健永、これ…。」
翔馬くんはランドセルを健永に渡すと食堂を出て行った。
健永は小さなカバンひとつでここに来たから、昨日もAと買い物に行ってたみたいだし、ランドセルなきゃ、学校行けないもんね。
なんか浮かない顔。
どうしたんだ?
「俺、新しい…行かない…。」
翔馬くんが食堂から出て行ってすぐに健永はそう呟いた。
「どうして?高嗣も同じ学校だし、心配しなくてもいいよ。」
健永の呟きを聞き逃さなかった俊哉。
「…るから…。」
「え?なに?」
「お母さんが迎えに来たら、帰るから!だから、新しい学校には行かない。」
健永の気持ちもわからなくはない。
まだ自分の置かれた状況が受け入れられないんだ。
でも、ミツから聞いた話だと、健永はもう…。
「はぁ?何言ってんの?迎えに来るわけないじゃん。」
やっぱり、健永が来てからの高嗣はなんか変だ。
「なぁ…高嗣、変じゃない?」
隣にいる渉と顔を見合わせた。
「健永は捨てられたんだよ?迎えになんか来るわけないって。」
「違う!俺は捨てられてなんかない!」
「違う?何が違うの?だって、健永はここに来ちゃったじゃん。迎えに来なかったから、ここにいるんだろ?それでも待ってんの?ばっかじゃね?」
「高嗣、やめろって。」
黙って聞いてたミツが口を開いた。
「お前の母さん、お前より男の方を選んだんじゃん?」
「知らないくせに…。」
「お前の母さんなんて、知るわけないじゃん。」
「俺のじゃなくて、そっちのだよ。知らないだろ?だって、ずっーとここにいるんだもんな。親の顔も知らないクセに偉そうなこと言うなよ!!」
「ふざけんな!!」
“ガシャン!!”
持っていたマグカップを床に投げつけると、高嗣は健永に掴みかかった。
“ドクンっ”
何かが体の中で弾けたような気がした。
・・・・・。
『もう、やめてよ!』
“ガシャン!!”
『太輔!?しっかりして!!太輔ー』
・・・・・。
「…っ…。」
背中が切り裂かれるような感覚。
「太輔?どうした?」
「ごめっ…部屋戻るわ…。」
「太輔…?」
ダメだ…息が出来ない。
483人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
浅緋(プロフ) - コロロさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2015年12月6日 9時) (レス) id: 8150003928 (このIDを非表示/違反報告)
コロロ(プロフ) - 始めまして!すっごい面白いです!玉ちゃんはかんもく症も持ってるんですね…。実は私もかんもく症で学校で喋れないのでとても共感出来ます。これからも頑張ってください♪ (2015年12月6日 9時) (レス) id: 61a1863fd9 (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - 璃子さん» コメントありがとうございます。みっくんの過去はもう少し後になりますが、必ず出ます。待っていて下さい。これからも頑張るので宜しくお願いします。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - いつも読んでます!みっくんの過去編みたいです!これからも頑張ってください。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 17fec4b2db (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - あやのすけさん» コメントありがとうございます。裕太くんの過去楽しみにしてて下さい。パート2では、必ず書きます(о´∀`о) (2015年3月14日 1時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:浅緋 | 作成日時:2015年2月8日 0時