…【22】 ページ22
*Side Taisuke*
「なに？珍しく勉強してんの？」
あなたにだけは言われたくないんですが…
「月曜に提出しなきゃいけないのあるからね。」
って、あらららら…
なんだか難しい顔しちゃって、どうした？
「そっか。」
それだけ言って、そそくさとベッドの梯子を上がるミツ。
様子がおかしい…。
「宏光！」
手を止めて、ミツと向き合う。
「なんだよ？」
「“なんだよ？”じゃなくてさ…。なんかあったんだろ？」
あ、視線を逸らした…
「健永、どうだったの？」
これはもう尋問するしかないな…。
「なんでかね…？」
観念したのか、静かに口を開くミツ。
「ん？」
「アイツの体、傷だらけだった…。」
俯いたまま話を続けるミツ。
「俺らは何も悪くないのに…どうしてだろうね…？」
あまりにも似ている境遇に健永と自分を重ね合わせたんだろう。
新しい子が来て、ミツがこんなになるのは始めてだ。
「ねぇ、ミツ。俺はさ…ここに来れて良かったって思ってる。そりゃ最初の頃は不安だったけど、ここに連れて来られたから、今こうして笑っていられるんじゃん。」
うまく言えないけど…。
「健永もそのうち笑えるようになるって。」
俺らがそうだったように、きっと健永だって気付くよ。
“ここに来て良かった”
って…。
「なんだよ？その顔は…？」
「いや、太輔も成長したなーって…。」
「はぁ？」
「最初の頃はピーピー泣いてたクセに。」
「泣いてねーよ！あれはお前がいじわるするからだろ？」
「ちがうねー。俺はいつでも優しいもんねー。」
小っちゃい頃から、いつも一緒にいたミツ。
だから、全部わかってたつもりでいた。
だけど、何もわかっていなかったんだ。
“ガチャ”
ミツとあーでもない、こーでもないって言い合ってたら、勢いよくドアが開いた。
「何時だと思ってんの？うるさいんだけど…？」
こわーい顔の渉。
「わた…」「渉…」
あー…
これはヤバイかも…
「弟組はもう寝る時間なんだよ。二人がうるさくしたら、下の子たち寝れないでしょ？」
出た…うちの常識人。
「説教部屋で寝る？翔馬くん呼ぶよ？」
「「ご、ごめんなさい！！」」
「はい、よろしい。」
さっきまでとは正反対の顔の渉。
ミツがいて、渉がいて、下の子たちがいて…。
ここにいれば、怖い物なんて何一つない。
こんな日がずーっと続くと思ってた。
こんな日がずっと…？
あぁ…そっか…。
ミツは…
そう遠くない将来、ここを出て行かなきゃいけないんだ…。
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浅緋(プロフ) - コロロさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2015年12月6日 9時) (
レス) id: 8150003928 (このIDを非表示/違反報告)
コロロ(プロフ) - 始めまして！すっごい面白いです！玉ちゃんはかんもく症も持ってるんですね…。実は私もかんもく症で学校で喋れないのでとても共感出来ます。これからも頑張ってください♪ (2015年12月6日 9時) (レス) id: 61a1863fd9 (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - 璃子さん» コメントありがとうございます。みっくんの過去はもう少し後になりますが、必ず出ます。待っていて下さい。これからも頑張るので宜しくお願いします。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - いつも読んでます！みっくんの過去編みたいです！これからも頑張ってください。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 17fec4b2db (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - あやのすけさん» コメントありがとうございます。裕太くんの過去楽しみにしてて下さい。パート2では、必ず書きます(о´∀`о) (2015年3月14日 1時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅緋
| 作成日時：2015年2月8日 0時
