…【11】 ページ11
*Side Yuta*
あんまり僕のこと見ないでよ…。
いつもみたいに薬を飲んでると向かい側から視線を感じた。
朝起きた時に頭の中に【青色】が浮かんだから、新しい子がくるってわかったんだ。
だけど、新しい子が来るといつもそう。
みんな僕の事を不思議そうな顔で見るんだよね。
僕はみんなと違うから…
だから、薬を飲んだら早く部屋に戻ろうと思ったのに…。
「お、飯食えてんな。」
翔馬くんのいつもの何気ない一言。
それなのに…
“ビクッ”
健永の体が過敏に反応してたから、部屋に戻るタイミングを逃しちゃった。
「学校…行かないの?」
そのうちに色々と質問してきて、答えなきゃって思うんだけど、言葉がうまく出てこない。
いつもそう…。
みんなともっとちゃんとお話ししたいって思うのに、なかなかうまく話せないの。
僕が何も答えないから、見かねた翔馬くんが僕のことを説明してくれたんだけど、またそれで健永は怯えて…
「なんか、ごめん…いきなり変なこと聞いて…。」
なんて、謝ってくれたけど、僕の方こそごめんねって感じだった。
でも、やっぱり言葉は出て来なくて、ただ首を横に振るだけで精一杯だった。
「へぇー…全員、色が決まってるの?」
Aと翔馬くんが食堂を出て行った後、辺りを見回していた健永が口を開いた。
小さく頷いて答える。
「裕太くんは黄色?」
「う、ん…」
僕の持っていたマグカップは黄色。
健永の前に置かれているマグカップとお箸はそれぞれ…
「で、俺は青…なのかな?」
そうだよ…
そんな風に頷いてみる。
この家では、食器とかお弁当箱とか、それぞれの洗濯物を入れておく籠とか、色違いでお揃いの物を使ってるんだ。
『これならすぐに自分のがわかるでしょ?』
って、まだ僕や高嗣が字が読めなかった頃、Aが決めてくれたんだ。
あ…。
ケガしてるのかな?
服の袖から見える包帯が痛々しい。
「裕太ー、部屋戻って着替えるぞ。」
すぐに翔馬くんが戻ってくると、健永はまた黙っちゃった。
よくわかんないけど、きっと健永は“大人の男の人”が怖いんだと思う。
大丈夫だよ。だって、翔馬くんはすごく優しいから…。
って、きちんと言葉で伝えられたらいいのにな。
『裕太、入るよー。』
そう思いながら着替えて、ベッドの上で本を読んでいるとAが部屋にやってきた。
「どうぞー。」
不思議…
相手がAだときちんと言葉も出るんだ。
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浅緋(プロフ) - コロロさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからも頑張ります。 (2015年12月6日 9時) (レス) id: 8150003928 (このIDを非表示/違反報告)
コロロ(プロフ) - 始めまして!すっごい面白いです!玉ちゃんはかんもく症も持ってるんですね…。実は私もかんもく症で学校で喋れないのでとても共感出来ます。これからも頑張ってください♪ (2015年12月6日 9時) (レス) id: 61a1863fd9 (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - 璃子さん» コメントありがとうございます。みっくんの過去はもう少し後になりますが、必ず出ます。待っていて下さい。これからも頑張るので宜しくお願いします。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - いつも読んでます!みっくんの過去編みたいです!これからも頑張ってください。 (2015年6月1日 0時) (レス) id: 17fec4b2db (このIDを非表示/違反報告)
浅緋(プロフ) - あやのすけさん» コメントありがとうございます。裕太くんの過去楽しみにしてて下さい。パート2では、必ず書きます(о´∀`о) (2015年3月14日 1時) (レス) id: 09f5dc02af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:浅緋 | 作成日時:2015年2月8日 0時