【22】 ページ22
さすが我が家の子供たち…
とでも言うべきなのかな?
「ほらね、ちゃんと来るっしょ?」
太輔のちょっと勝ち誇った顔が憎たらしい。
“たぶん昼前には来るよ。だから、明日はお昼多めで”
その太輔の言葉通り、それとなくみんな徐々にやってきて…
お昼の少し前には全員集合になった。
「やっぱりみんな揃うと、その席に座るんだね。」
みんな当たり前のように、それぞれが“自分の席”に座ってた。
「お腹空いたでしょ?いっぱい食べてね。」
こうやって聞いてしまうのも長年の癖なのかな?
「わー!Aのゴハンだっ!いつぶりだろ?」
高嗣のニコニコ顔は、いくつになっても変わらないね。
「お前、結構頻繁に来てんじゃん。」
「ホントに久しぶりだってば!ねぇ、A。」
「うん、そうだね。一か月ぶりくらいかな?」
「ほら、久しぶりじゃん。」
ここを卒業しても、しょっちゅう顔を見せてくれる高嗣と健永。
「そんなに頻繁に来てんの?」
「そうみたいだね。」
滅多に会えなくても頻繁に連絡をくれる渉と俊哉。
毎日、顔を合わせてる太輔と裕太。
6人に関しては心配事もあまりないんだけど…。
「ミツ兄、早く号令してよ!」
「はぁ?なんで俺が?」
「みんな揃ったら、ミツ兄って決まってるの!」
「いつ決めたんだよ?」
「今決めたの!早くして!」
「へいへい。じゃあ、せーの!」
=いただきまーす。=
宏光に関しては心配事ばかりだよ。
いくら【あるかす】で働いているとは言え、滅多に帰って来ないし、連絡もくれない。
たまに帰ってきたと思えば、毎回必ず何かを抱え込んでるし…。
今回だってそう…。
きっと毎回、“その答え”を求めて、帰って来るんだろうけど…。
宏光の性格なのか、なかなか話してくれないね…。
.
「俺からみんなに報告がありまーす。」
みんなのお腹が満たされた頃、突然立ち上がった太輔が口を開いた。
「太輔?急に改まって、どうしたの?」
報告ってなに?
「俺、子供ができたんだ。」
「マジ!?」
「うそついて、どうすんだよ?お前はバカか!?」
どうしていつもこうなんだろう?
太輔が結婚するって言った時も、高嗣はこうやって、からかってたよね。
「昨日ちゃんとわかってさ。」
最近のさやちゃんの体調不良はそのせいだったんだね。
「太ちゃん、おめでとう。念願のパパになるんだね。」
太輔の守りたいもの…
またひとつ増えたね。
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作者名:浅緋 | 作成日時:2017年1月28日 0時