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【01】 ページ1

*Side:宏光*

俺、北山宏光。

26歳。

職業、児童指導員。

今は【森の家 あるかす】っていうペンションで働いてる。

【森の家 あるかす】は【虹の家】を作った七村修治さん(お父さん先生)と、その奥さんの桃子さん(桃子先生)が、【虹の家】を辞めた後に作ったペンション。

色々あって、高校卒業後に働いてた工場を辞めて、ここに来た。

ここに来て、もうすぐ5年。

俺の仕事をざっくり説明すると、社会に適応できない子供達をサポートして、社会に送り出すこと。

「あれー?ひろっぴ今日は泊まりじゃないの?」
なんでか俺は、ここにいる女の子たちからは“ひろっぴ”と呼ばれてる。

「ざんねーん。今日は帰る日です。」

ここに来た当初は住み込みで働いてたけど、今は近くにアパートを借りて、週に3回は泊まりの勤務、それ以外はこうして決まった時間に家に帰るようになった。

「はぁ?別に残念じゃないし。いない方が静かでいいよね?」

「そーだよ、早く帰りなよ。」

「お前ら、なに生意気なこと言ってんだよ?ちゃんと仕事しろよ。」

「はいはーい。」

「わかってまーす。」
うっわ、こいつら絶対にわかってない。

「「お疲れ様でしたー。」」

「へいへい、お疲れ様でした。」

俺は別に住み込みのままでも良かったんだけどさ、

“まだ若いんだから普通の生活をしなさい”

って、お父さん先生が急に言い出したんだよ。

そんなん言ったら、【虹の家】にいる翔馬くんやAは普通じゃないのかよ?

って、ツッコミたくなったのは内緒だけどね。


「あーみちゅだー!おーい、みちゅー!」

すっかり通い慣れた道を愛車(と言ってもマウンテンバイクだけど)で走っていると、少し離れたところから、俺の名前を呼ぶ小さな男の子。

「おー耕大。」

この子の名前は岸原耕大(キシハラ コウダイ)
俺の知ってる奴によく似てる。

「元気か?」

「うんっ!げんきー!パパもげんきだよ!ねっ、パパ。」

「だってよ、大雅。元気なのかよ?」

耕大は大雅の一人息子。

大雅をそのまま小っちゃくしたみたいなかんじ。

「もちろん、元気だぞ。」

俺がここに来た時、大雅は結婚してて既に耕大がいた。

最初から色々驚かされる奴だけど、俺とタメで5歳の子供がいるなんてねぇ…。

「この時間にここにいるってことは帰る日か?」

「あぁ、そうだけど。」

愛未(マナミ)ちゃんのこと少しは気に掛けてやれよ。」

「はぁ?」

コイツ、一体なに言ってんだ?

【02】→



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作者名:浅緋 | 作成日時:2017年1月28日 0時

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