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Case91 ページ10

「………こんな鮮やかで綺麗な土下座、初めて見たよ」

『たいっへん、申し訳ありませんでしたっ!!』



目を覚まして数秒後、

私の脳内を駆け巡ったのは昨日の醜態。


台所で朝御飯を作ってくれていた降谷さんに向かって全身全霊で謝罪した。


『か、かぜ、うつってないですか!?』

「さぁ、どうだろう。
今のところはなんともないよ。

それよりほら、顔あげて。
フローリング、冷たいだろう?」


コンロの火を消した降谷さんは私の肩をそっと起こす。


「具合は?」

『…マシにはなりました』

「そう。
一応熱は測ろうか。学校は休もうね」

『……はい』

「僕はそろそろ仕事に行かないといけない。
また、夜に様子を見に来るから」

『え、そんな、わざわざ』

「僕がしたいんだ。
君は頼らなさすぎる。心配なんだ。

お願い」

『……わかりました…すみません…』

「ん、いい子だ。
それと、こういうときは謝らないでくれ。
違う言葉のほうが、僕はうれしいな」

『………あ、りがとう、ございます』

「どういたしまして」


優しく笑って頭をなでる降谷さん。

とても胸がキュウッと苦しくなる。


「お粥とお味噌汁、余裕があるならサラダも作ってあるから。
食べてね」

『何から何までありがとうございます…』

「世話をやくのが好きなのさ。気にしないで。
あ、A。鍵ってあるかな?」

『あぁ、ありますよ』

「マスターキーは?」

『それも、ほら』


2つの鍵を見せれば、降谷さんはそれを取ってポケットに入れてしまう。


『え?』

「飲み物も食材も冷蔵庫にあるから外に出なくて平気だろう?
鍵も僕がかけるから心配ない。

寝てること、いいね」

『………それ、監 禁じゃないすか』

「君のためを思って言ってるんだよ」

『だからそれ、監 禁する人の発言ですって!』

「今日だけだよ。
じゃあ、また夜に」



ジャケットに袖を通して玄関に向かう降谷さんに着いていく。


「…見送りはいいよ」

『それは譲れません』

「……ちゃんと寝てくれよ?」

『心配し過ぎですって…』



呆れて息を吐く私の頭をポンポンとなでる降谷さんは苦笑い。



『いってらっしゃい、降谷さん』

「いってきます」

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ユナ@前垢消えた(プロフ) - 最高すぎて一気読みしちゃったでし、、、、、更新待ってます!!!!!!! (6月25日 8時) (レス) @page26 id: 0fb864c8c1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかそ - 初めまして!面白くて2日で一気読みしちゃいました!!私のスマホ終わりって表示されてますけど嘘ですよね!?続きが気になりすぎてハゲそうです、、、!いつか続き見れたら嬉しいなぁ〜、、、!! (2023年4月11日 16時) (レス) @page26 id: 515339af0b (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 続きが気になります!体調を崩さずに! (2022年12月23日 0時) (レス) id: 8331d59edc (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 続きが気になり過ぎます!!続きが更新される日を心待ちにしています!! (2022年7月16日 3時) (レス) @page26 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - ああああもう最高です。。。😭安室さんかっこいい。。。 (2022年4月30日 8時) (レス) @page26 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/  
作成日時:2018年9月7日 17時

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