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Case92 ページ11

「いただけねぇ」

『………唐突だね』


学校の終わり、ポアロへ向かっている私にそう言ったのは江戸川コナンこと、工藤新一だった。

ポアロに来るのを待ち構えていたかのように、毛利探偵事務所に続く階段に、彼は座っていた。


「随分と、安室さんと仲良くしてんだな」

『………そうだね。何か問題でも…』

「大有りだ!!」


階段から勢いよく立ち上がり、彼は私の手首を掴んだ。

小さい、子供の手だ。


「A………オメェ、あの人に関わるってことがどういうことかわかってんのか!?」


あぁ、


(新一は、知っているのか)


安室さんの、正体に。


「オメェのことだ。とっくに安室さんの正体に気がついてるんだろ」

『…』

「……なら、なおさらだ!!」

『………新一…』


きっと、新一は私を心配してくれている。

安室透という人間に深く関わることで、より危険度は増す。

組織に身をおいているのだから。

火の粉がかかりやすいったらありゃしない。

そんな男の一番そばにいるのが、


たぶん、


(私だ)



だからこそ、

新一は、





「……手ェ引け………A…………!」

『………そんなの………』



今さら無理だ。

彼の孤独を知ってしまった。

背負うものに気づいてしまった。

悲しげに笑う顔を見てしまった。

真っ直ぐに進むその背中に、触れてしまった。




『………私は、もう…』








「……揉め事かい?」



新一の体が揺れた。



「……あ、むろ、さ…」

「一際大きな声が聞こえてね。喧嘩でもしてたのかと思って」

「…え、あ、いや……」

『………そんな大人げないことしませんよ。
ただ、コナンくんに心配をかけてしまっただけです』

「ホォー…」


意味深に口角をあげる彼に対し、新一は唇を噛み締めた。


『…風邪はもう治ったから。心配かけてごめんね。
じゃあ…バイトあるから。あとでおいでね。
ジュース…いや、コーヒーか。奢るから』

「…う、うん……」


するりと小さな新一の手を抜け、安室さんの横を通りすぎた。









「……いいたいことが、ありそうだね」

「…………たくさん、あるよ」





―――――
夢主とふるやっちのイメージソング第二段
つつみ込むように

MISIAの曲ですお。
マジすてき。

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ユナ@前垢消えた(プロフ) - 最高すぎて一気読みしちゃったでし、、、、、更新待ってます!!!!!!! (6月25日 8時) (レス) @page26 id: 0fb864c8c1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかそ - 初めまして!面白くて2日で一気読みしちゃいました!!私のスマホ終わりって表示されてますけど嘘ですよね!?続きが気になりすぎてハゲそうです、、、!いつか続き見れたら嬉しいなぁ〜、、、!! (2023年4月11日 16時) (レス) @page26 id: 515339af0b (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 続きが気になります!体調を崩さずに! (2022年12月23日 0時) (レス) id: 8331d59edc (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 続きが気になり過ぎます!!続きが更新される日を心待ちにしています!! (2022年7月16日 3時) (レス) @page26 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - ああああもう最高です。。。😭安室さんかっこいい。。。 (2022年4月30日 8時) (レス) @page26 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/  
作成日時:2018年9月7日 17時

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