Case93 ページ12
降谷side
「彼女の父親は、他界していることは確かです」
「………それで?」
さめかけたコーヒーに口をつけ、背を向けて座る男に話の先を尋ねた。
ガヤガヤと人で賑わう町の一角のファミレス。
夕暮れに伴い、目を細めるほどのオレンジ色の光が展開に差し込んだ。
「他界したのは18年前。彼女が生まれる7か月前です」
(どうやら、彼女が父親の顔を知らないというのは本当らしいな…)
「父親は、例の組織に身をおいていたそうで」
「コードネームは」
「ありません」
「本名はわかってるんだろうな」
「抜かりなく」
カチャリ……と、後ろの男が眼鏡に手をかけたのがわかった。
「その、男の名前は…………」
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「私たち、こっちやってるね」
『はーい。ありがとう、蘭ちゃん』
工藤邸の書斎から、入り口に立つ蘭ちゃんにそう声をかけると、
雑巾がかけられたバケツを持ちながらニッコリ笑い、別室へと向かっていった。
やっぱり蘭ちゃんはいいお嫁さんになる。
新一には勿体ないと思う。
私のお嫁に来てくれないかな。
安心して。養って見せる。
(にしても、)
長年この家に住んでたけど、マジでこの家広い。
そりゃあ、沖矢さんも掃除するってなったら匙を投げたくなるってもんだ。
私だって年末の大掃除は駄々こねてた。
そりゃあもう、クレ⚪ンし⚪ちゃんのように。
アメリカ人って大掃除するのか?
まぁ新一もあんな状態だ。
しょうがない。
『やるかぁ……』
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降谷side
「確かなんだな」
「はい」
「わかった。引き続き頼むぞ」
風見からの情報を受け取り、席を立った。
レジに向かう途中にサッと風見の席に諭吉をおいて行くと、少し焦ったように「ご、ごちそうさまです!」と、僕の背中にそう言った。
………なんのために席を別々にしたんだか。
それでも公安か?
(まぁ……今回は多目に見てやろう)
なんせ、彼は重要な情報を仕入れてくれた。
本当にできた部下を持ったもんだ。
「その、男の名前は…………」
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『…………なに、この、写真…………。左下になんか書いてる…………筆記体…………名前?』
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(その、男の名前は……………)
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『…いっ……せ…い……?』
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「六条一誠。
元警察庁公安部、警備局警備企画科に所属していた男です。」
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ユナ@前垢消えた(プロフ) - 最高すぎて一気読みしちゃったでし、、、、、更新待ってます!!!!!!! (6月25日 8時) (レス) @page26 id: 0fb864c8c1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかそ - 初めまして!面白くて2日で一気読みしちゃいました!!私のスマホ終わりって表示されてますけど嘘ですよね!?続きが気になりすぎてハゲそうです、、、!いつか続き見れたら嬉しいなぁ〜、、、!! (2023年4月11日 16時) (レス) @page26 id: 515339af0b (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 続きが気になります!体調を崩さずに! (2022年12月23日 0時) (レス) id: 8331d59edc (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 続きが気になり過ぎます!!続きが更新される日を心待ちにしています!! (2022年7月16日 3時) (レス) @page26 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - ああああもう最高です。。。😭安室さんかっこいい。。。 (2022年4月30日 8時) (レス) @page26 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2018年9月7日 17時