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_JK
「うん、どうした?」
『ぁ、な、涙が止まらないです…ひょん…、どうしよう。』
目元を擦ろうとするレオの手をそっと掴む。
「止めなくていいよ。レオの気持ちを教えてほしい。」
『僕の気持ち…。』
「本当は今日帰りたくなかったんじゃない?」
レオのサラサラの髪を撫でて顔を覗き込むと、
濡れた瞳からまた新しく涙があふれた。
『…ふ、ぅ、ほんとは、帰りたくないです。夜、寝れ…なくて…っ、こわくて…。今日、楽しかったから、また…っひとりに、戻るのが…さみしかった、』
しゃくりあげながら必死に紡いでくれる言葉を聞き逃さないように、レオの目を見つめて耳を傾ける。
『ごめん、なさい…っ。警備員なんだから…っ、ぅ、ちゃんと…しないとって…おもっ、て……。だ、だれにもっ、迷惑…かけたくなかった…!』
「うんうん、レオは誰にも迷惑かけてないよ。」
『いまグギヒョンにかけてます…!』
「そんな悲しそうな顔しないで。迷惑じゃないよ。むしろ頼ってもらえて嬉しいくらい。」
泣いてるのを見て、慰めてあげたいと思う。
怖がってるなら、一緒にいてあげたいと思う。
つらいなら、頼ってほしいと思う。
男が1人で夜道を帰るのなんて別にどうってことないのに、わざわざ車を出してあげたいと思った。
普段は人に服なんか貸さないけど、着せてあげたいと思った。
心の中で溜め込んでいることを、俺だけに話してほしいって思った。
この気持ちはなんだろう。
レオに近づいて、優しく抱きしめる。
俺より低い身長。
筋肉がある割に細い腰。
すっぽり腕のなかにおさまるのが、なんだか心地よかった。
「レオ、レオは……」
『はい…?』
「レオは俺の……。」
レオは俺の、なんだ?
「…いや、俺たちの、大事な弟だよ。…今日みんなに言われたでしょ?弟がヒョンを頼るのは当たり前なんだから。」
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ポニョ(プロフ) - スミスキーさん» ありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。がんばりますね!! (2021年8月29日 12時) (レス) id: 1603e93fa5 (このIDを非表示/違反報告)
スミスキー(プロフ) - 凄く面白くて大好きで!!更新頑張ってください!! (2021年8月29日 5時) (レス) id: 78ab9a25ad (このIDを非表示/違反報告)
ポニョ(プロフ) - ヌナさん» ありがとうございます!お褒めの言葉、励みになります。 (2021年8月24日 7時) (レス) id: 1603e93fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ヌナ(プロフ) - ほんっとに面白いです!最高です! (2021年8月23日 23時) (レス) id: 0a8f295be4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポニョ | 作成日時:2021年8月22日 16時